待機児童の緩和 期待
県は、保育士不足の解消に向けて導入を目指す「地域限定保育士」について、初の筆記試験を来春に実施する方針を決めた。20日に発表した一般会計補正予算案で、来年度の実技講習会経費1040万円を債務負担行為として設定しており、可決されれば、来夏に合格者が誕生する見込み。待機児童の問題の緩和につながるか注目される。
地域限定保育士は、業務内容が通常の保育士と同じでありながら、登録後3年間は勤務先が受験地に限られる国家資格。2015年の創設後、大阪府などの国家戦略特区で先行実施され、児童福祉法の改正に伴い今年度から、国に認定された自治体にも拡大された。
ただ、試験に関する全国的なシステム改修が間に合わず、県は当初の目標だった10月の試験実施を断念。その後、改修が進むなどしたため、他の5府県とともに13日付で導入が認められた。
試験は前期・後期の年2回で、前期では来年1月から受験の申し込みを受け付け、4月に筆記試験を行う。通常の保育士試験では筆記と実技の両方を課すのに対し、自治体の実技講習を修了すれば実技試験が免除されるため、筆記の通過者には6月に計27時間以上の実技講習を複数日にわたって実施。すべて修了すれば、8月頃に合格通知を送る。県は来年度の合格者を約110人と見込んでいる。
県によると、県内で常勤か非常勤で働く保育士らの人数は4月時点で1万119人で、資料の残る16年度以降、増え続けている。だが、待機児童数は335人。大津市(132人)が2年連続で全国最多となるなど、南部を中心に高まる保育ニーズに追いついていないのが現状だ。
県子育て支援課は「保育士確保に向けた目玉の一つ。他にも様々な施策に取り組む」としている。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 「地域限定保育士」来春試験

