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「映画のまち」へ 彦根奮闘

「映画のまち」へ 彦根奮闘

ロケ促進 ■ 「聖地」マップで紹介 

「彦根映画祭の開催に向けて機運醸成に努めたい」と話す山田さん(彦根市で)
「彦根映画祭の開催に向けて機運醸成に努めたい」と話す山田さん(彦根市で)
彦根市内で撮影が行われた作品や場所を紹介する「ロケ地マップ」
彦根市内で撮影が行われた作品や場所を紹介する「ロケ地マップ」

 彦根市が「映画のまち」の発信に力を入れている。これまでに様々な映画やドラマのロケ地となっており、今年1月には市や地元の商工会議所などで実行委員会を結成。今年度中には「彦根映画祭」を初めて開催する予定だ。(清家俊生)

今年度 イベント開催へCF募る

 市によると、1952年公開の映画「西鶴一代女」のロケ地となって以降、市内では彦根城や琵琶湖などで映画やドラマの撮影が行われるようになった。

 市が本格的にロケ支援をするようになったのは2013年度から。彦根を中心に近江八幡や長浜など県内8市町21か所でロケが行われた万城目学原作の映画「偉大なる、しゅららぼん」で、ロケ地の提供や仲介、住民への協力要請などをしたのがきっかけ。撮影場所を訪れるファンを市内観光につなげ、交流人口の増加も図ろうと、同年10月に市フィルムコミッション室を設置した。

 同室では、映像関係者が求めるロケーションに応じて、撮影場所の紹介やエキストラの手配、市内企業への協力依頼などを行っており、市に登録している市民エキストラは約600人を数える。昨年末までに誘致した映画は32作品。このほか、テレビドラマや旅番組などにも協力しており、同室への問い合わせは今も相次いでいる。

 中には、リピーターになる業界関係者も。映画「クライマーズ・ハイ」などの作品で知られる原田眞人監督は「BAD LANDS バッド・ランズ」や「燃えよ剣」など計4作品でロケ地に選んだ。

 同室主査の山田竜平さん(40)は「彦根城で撮影する時代劇だけでなく、昭和の雰囲気を残す商店街や琵琶湖の風景などシチュエーションに応じて、色んな撮影ができるところが好評だ」と話す。市内には100人規模で泊まれる宿泊施設や大量の弁当の注文に応じる店舗があるほか、新幹線が停車するJR米原駅から近いことも、ロケ地に選ばれる理由の一つという。

 今年も、JR彦根駅などでロケが行われた鈴木亮平さんや有村架純さんが出演する「花まんま」が公開された。8月にも公開予定の映画があるという。

 「映画のまち」の認知度をさらに高めようと、市などでつくる「市シティプロモーション戦略推進委員会」は昨年5月、市公式サイトから市内で撮影された映画のロケ地が一目で分かるサービスを開始。地図上にある作品名のアイコンをクリックすると、作品の公式サイトのURLや出演者のほか、撮影エピソードなどがわかるようになっている。

 また、映画祭の開催ももくろむ。▽若手クリエイターの登竜門▽最新技術の出会いの場▽地域との共創――を基本概念に、若手の監督らから作品を募るコンペティションのほか、彦根を舞台にした作品の上映などを予定している。

 ただ、市の財政状況は厳しいため、開催費用など計800万円を目標にふるさと納税を活用したクラウドファンディング(CF)を7月14日まで実施している。山田さんは「市民の映像文化への親しみを深めるためにも、ぜひ映画祭を実現させたい」と協力を呼びかけている。

 ロケ地マップやCFサイトへのリンクは、市公式サイト内の市フィルムコミッション室のページに記載されている。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 「映画のまち」へ 彦根奮闘