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コラボ酒 ラストオーダー 

コラボ酒 ラストオーダー 

県内30蔵ブレンド 今年限り

互いの技術 高め合えた

最後となる「コラボ純米酒」を手にする県酒造組合の役員ら(大津市で)
最後となる「コラボ純米酒」を手にする県酒造組合の役員ら(大津市で)

 県酒造組合(松瀬忠幸会長)は、加盟する全30蔵の純米酒をブレンドした「コラボ純米酒」の製造販売を今年で終了する。地酒のPRや、酒蔵の技術向上を目指してスタートして丸10年。「技術も高まり、一定の役割を終えた」とするが、背景には酒米の高騰もある。(生田ちひろ)

 取り組みは、県の「近江の地酒でもてなし、その普及を促進する条例」制定に向けた盛り上がりを受けて、2015年に始まった。同年の「日本酒の日」(10月1日)に、地酒で一斉に乾杯するイベントでの特製酒として初披露された。

 その後、乾杯イベントとともに毎年実施。当初は飲食店でのみ提供されていたが、コロナ禍の20年からは「宅飲み」で参加できるよう、一般販売も始まった。

 県内は、家族経営など小規模な蔵が多い。取り組みは、交流による各蔵の技術向上も狙っていた。各蔵の一押しの純米酒を出してもらい、ブレンドする。毎年、十数回集まって議論する中で各蔵の原料や製造技術、市場分析も含めたノウハウを共有する機会が増えた。

 県酒造組合副会長で、「萩乃露」で知られる福井弥平商店(高島市)の福井毅社長は「本来は企業秘密にもかかわらず、互いに技術を伝え合い、味を高めてきた。コラボ酒は、他では珍しい滋賀ならではの取り組み」と語る。ただ、昨年からの米価の高騰で酒米も値上がりするなど入手しにくい状況となり、各蔵が自らの酒造りに注力できるよう、終了を決めたという。

 コラボ純米酒は「すっきり」や「味わい深く」など目指す形によって蔵ごとの比率を変える年もあったが、今回は原点に戻って30蔵の酒を等量でブレンドした。今年の取り組みを担当した
笑四季えみしき
酒造(甲賀市)の竹島充修社長は「うまみとキレが両立し、軽やかなのにふくよか」と胸を張り、「コラボ酒の集大成。ぜひ味わってほしい」と話している。

 1本720ミリ・リットルで、1760円(税込み)。計3000本を県内限定で販売し、酒販店やスーパーなどで購入できる。同組合などでつくる「滋賀酒乾杯プロジェクト」に加盟する県内外約200の飲食店でも楽しめる。

乾杯配信や試飲即売会 県組合など10月4、5日

 県酒造組合などは「滋賀酒乾杯プロジェクト」の一環で10月4日午後7時から約30分間、ユーチューブで蔵元らによるトークショーなどを配信。午後7時半のタイミングで地酒で乾杯するよう呼びかけている。

 また、翌5日には、大津市の琵琶湖ホテルで約200種類の地酒やコラボ純米酒の試飲や即売を楽しめる「滋賀地酒の祭典in大津」を開催する。午後0時半と同3時からの2部制で、各部の入場料4000円(前売り3000円)、25歳以下1000円(要身分証)。

 問い合わせは同組合(077・522・3070)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE コラボ酒 ラストオーダー