県立琵琶湖博物館(草津市)に新しいビワコオオナマズの水槽が完成した。2023年に水槽の破損事故が起きて以降、クラウドファンディング(CF)で寄付を募るなどして再建を進めてきた。新水槽はアクリル板を厚くするなど安全性に配慮し、特徴である白い腹が下から観察できるよう構造にもこだわった。11日午前11時から同館の水族展示室で鑑賞できる。(青山大起)
105ミリアクリル板■「ナマズ岩」表現
ビワコオオナマズは、琵琶湖と淀川水系にのみ生息する固有種。全長0・7~1・3メートルで、長い頭部や白い腹、金属のような光沢がある黒色の背をしている。ニゴロブナやビワマスを捕食し、約400万年前の湖底の地層から化石が発見されたことから「琵琶湖の主」とも呼ばれている。

同館では1996年の開館時から展示してきたが、2023年2月、飼育していた円柱形の水槽(直径約5・1メートル、高さ約3・8メートル)のアクリル板が突然破損し、水が流出する事故が発生。館内全ての水槽を点検したところ、ほかに12個の水槽でもひびが見つかり、水族展示室全体を一時閉鎖する事態となった。

その後、専門家らでつくる第三者委員会が調査。アクリル板の厚さ不足や水量が多かったこと、水槽内に設けたセメント製の「擬岩」の位置に問題があり、水圧が一部分にかかっていたことなどが原因とされた。
新しいビワコオオナマズの水槽は、正面に縦約2メートル、横約3・9メートルのアクリル板を設置。事故の教訓を生かし、板の厚さは以前の40ミリから倍以上の105ミリに変更したほか、板にかかる水圧を抑えるため、水量も半分程度に減らした。
水槽内では、長浜市の
沖にあると伝わる「ナマズ岩」を擬岩で表現。水槽の裏側に回ると、頭上2・3メートルの場所に窓があり、ビワコオオナマズやイワトコナマズなどを下から観察できるようになっている。

近くには、コアユ用の水槽(縦約1・2メートル、横約4・1メートル)も新設。伝統漁法「エリ漁」をイメージしたつくりになっており、約500匹のコアユがダイナミックに泳ぐ姿が楽しめる。
二つの水槽の総工費は約2億1000万円。うち約1770万円は24年に実施したCFでまかなった。10日夕には、返礼品として、CF支援者らを対象にした内覧会が開かれた。
東京都から参加したカメラマン千葉秀河さん(26)は「地域の伝承である『ナマズ岩』が組み込まれていて面白い。なかなかナマズのおなかは観察できないので新鮮だった」と話していた。
