首位と勝ち点3差の5位
滋賀初のサッカー・Jリーグ入りを目指すレイラック滋賀FCが、3月に開幕した日本フットボールリーグ(JFL)で首位と勝ち点3差の5位につけている。残り五つとなった「J空白県」返上を目指し、選手やスタッフが一丸となって練習に励んでいる。(河村真司)
角田監督 「戦い方 固まった」
J1からJ3まで全60クラブあるが、一度もJリーグ入りしていないのは福井、三重、滋賀、和歌山、島根の5県。レイラックは2023年、最終節で引き分けに終わって2位と勝ち点1差で3位。昨季も4位と涙をのんだ。
昨季途中に就任した角田誠監督(41)は、京都パープルサンガ(現京都サンガFC)でDFとして天皇杯優勝、ベガルタ仙台、名古屋グランパスなどでJ1通算345試合出場の豊富な経験を誇る。レイラックは開幕5試合で2勝1分け2敗と出遅れたかに見えたが、角田監督は「布陣や選手の組み合わせなど、いろいろ試しながら戦った結果。物足りない数字だが、やり方はしっかり固まった」と話す。
その言葉通り、続く4月12日の第6節はFCマルヤス岡崎に3―2で勝利。20日の第7節はクリアソン新宿を1―0で破り、今季初の連勝を無失点で飾った。
今季は開幕後を含めて新たに10人の選手を獲得し、うちJリーグ経験者は8人を数える。「リーグでもトップ5に入る戦力」(角田監督)という厚い選手層と戦術が、ようやくかみあってきた。
現在4ゴールと得点ランキングで2位につけるFWの人見拓哉選手(27)も新加入の一人で、「昨季は(自身)14得点だったので、今季は15得点が目標。もう2敗しているけど、腹をくくってやっていくしかない。それだけの力はあるチーム」と力強い。
ただ、チームは7試合で12得点とリーグ2位の攻撃力を誇りながら、守備では最多タイの10失点と課題を抱えている。次戦は5月3日、アウェーのニッパツ三ツ沢球技場(横浜市)でJ3から降格してきたYSCC横浜が相手だけに、勢いが本物かどうか問われる試合となる。
主将のMF海口
選手(28)は「このチームで僕も3年目。2年続けて悔しい思いをしてきたので、今年は勝負の年だと思っている。サポーターのためにも滋賀にJクラブを誕生させたい」と気を引き締めている。
J3入りの条件とは……
「ホーム戦の平均入場者が2000人超」などの条件を満たし、Jリーグ理事会の入会承認を得ることが必要。その上で、16チームで戦うJFLで1位なら自動昇格となる。2位の場合は、J3の19位と昇格をかけた入れ替え戦を2試合行う。
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レイラック滋賀FC
2006年、廃部となった佐川急便京都サッカー部の選手を中心に「FC
びわこKusatsu」として関西リーグ1部に参加。08年にJFLに昇格した。クラブ名は「MIOびわこ滋賀」などを経て、23年からスペイン語で「王」を指す「レイ」と、フランス語で「湖」を意味する「ラック」を掛け合わせた現在の名称に変更した。過去の最高成績は23年のJFL3位。