県内13日時点 自転車、高齢者関連多く
県内で、交通死亡事故が相次いでいる。死者数は13日時点で43人。昨年同期の23人から大きく増えており、前年からの増加率は全国ワーストとなっている。昨年の死者数は1948年の統計開始以降最も少ない28人だった一方で、今年は高齢者や、自転車が関係する死亡事故が増えているためだ。(東川直央、香山優真)
県警交通企画課によると、交通事故の発生件数は8月末時点で1719件(昨年同期比17件増)。重傷者数は164人(同48人減)で、死者数は34人(同19人増)。死亡事故を分析すると、65歳以上の高齢者が当事者となる事故での死者は昨年同期から9人増加の20人。自転車が絡む事故の死者数も2倍となる6人となっていた。
9月以降も死亡事故が相次ぎ、同24日には大津市大谷町の国道1号で女性(84)が高齢女性が運転する乗用車にはねられ、死亡。今月6日にも、草津市矢橋町の県道交差点で横断歩道を歩いて渡っていた女性(71)が乗用車にはねられて死亡し、運転していた男(25)が自動車運転死傷行為処罰法違反容疑で現行犯逮捕されている。
「死亡事故を減らすには、事故の総数を減らすことが必要」と同課の西沢一総括管理官。▽歩行者も運転手も交通ルールを守る▽夕方以降、外を歩く時は目立つ服装で反射材を身につける▽自転車を運転する時はヘルメットを着用する――などの徹底を求める。
秋の全国交通安全運動(9月21~30日)の初日には、草津署がイオンモール草津(草津市)で自転車事故の危険性を訴える啓発イベントを開催。仮想現実(VR)ゴーグルを活用した自転車事故の疑似体験では、スマートフォンを見ながらの「ながら運転」で歩行者と接触する事故など4種類の映像で注意喚起した。
また、実際にペダルをこぐ自転車シミュレーターもあり、子どもたちが挑戦。左右と後方にある安全確認ができているかチェックするモニターで安全運転の度合いを100点満点で採点できるようになっており、男子小学生(10)は「ブレーキとか、カーブが難しかった。立ちこぎをやめようと思った」と普段の運転を反省していた。
自転車を巡っては、来年4月からは交通違反で「青切符」が交付されるようになり、「ながら運転」や信号無視などに反則金が科せられる。同署の担当者は「自転車は大人も子どもも乗る。今回の体験を安全運転につなげてほしい」と話した。
これからは日没が早まる季節。県警は「帰宅時間帯の事故が増える時期にも入る。自分が『ドライバーからは見えていないかもしれない』と意識するなど、より一層事故に気を付けてもらいたい」としている。