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人馬一体 つかんだ全国V

人馬一体 つかんだ全国V

真剣な表情で練習に取り組む部員ら(栗東市で)
真剣な表情で練習に取り組む部員ら(栗東市で)

栗東高馬術部 39年ぶり2度目

 県立栗東高校(栗東市)の馬術部が、静岡県で7月に行われた第58回全日本高校馬術競技大会で、39年ぶり2度目の優勝を果たした。JRA(日本中央競馬会)栗東トレーニング・センター(トレセン)や保護者らからの支援など恵まれた練習環境に感謝しつつ、部員たちは創部50周年の快挙に喜びをかみしめている。(名和川徹)

「ワンチーム」合言葉に結束

 優勝メンバーは、大会時の主将新屋泉水さん(17)、副将松尾誠さん(17)、同岩崎拓馬さん(18)、中竹優翔さん(17)(以上3年)、川島玄士さん(16)、岸本宗一郎さん(16)(以上2年)の6人。部には1~3年計17人が所属している。

 1974年創部。全日本大会では85年に初優勝し、出場は36回を数える。87年に準優勝して以降、1、2回戦で敗れることが多く、ここ3大会は初戦敗退の苦杯をなめてきた。

全日本高校馬術競技大会で39年ぶりに優勝した栗東高馬術部のメンバーと石川顧問(左)(保護者提供)
全日本高校馬術競技大会で39年ぶりに優勝した栗東高馬術部のメンバーと石川顧問(左)(保護者提供)

 このため、昨年顧問に就任した臨時教諭石川健一さん(69)のもと、部員たちは月曜以外の毎日、練習に励んできた。

 場所は、栗東トレセンの乗馬苑。JRAが馬術の普及、振興のため、市民が使えるように整備した施設で馬房や馬場を備える。将来、競馬界に携わる人材養成の狙いもあり、JRAは以前から同高馬術部に使用を認め、職員をコーチとして派遣。馬の世話の仕方や乗馬の技術を指導している。

 部員の多くは将来、調教師や
厩務員きゅうむいん
など、馬に関わる仕事を希望し、同高に入学した。夏休み中、部活動は午前6時から、乗馬苑に二十数頭いる元競走馬のふんの回収など馬房の清掃、えさやりから始める。1日計4~5時間の練習で、部員が騎乗するのは30分~1時間程度。騎乗後には馬体に水をかけ砂ぼこりや汗を落とす。

 6月に近畿地区予選があった。上位校の規定違反で全日本大会への繰り上げ出場が決まったが、それがなければ初戦敗退。チームにまとまりがなく、ラグビー部の指導が長かった石川顧問は「ワンチームになろう。騎乗する者、周りで世話する者、どんな立場でも一つにならなければ勝てない」と部員に語りかけ、「ワンチーム」を合言葉に結束力が高まっていった。

 7月25、26日の全日本大会には、県内3校を含む36校が出場。馬に乗り、規定のコースに設けられたバーを飛び越えながらゴールまでの時間を競い合う。部員たちは馬に無理をさせない騎乗に徹し、ミスの少ない安定した試合運びで勝ち進み、ついに頂点に立った。

 石川顧問は「ワンチームになり、乗馬苑での練習と同じ騎乗ができていた」とたたえた。

 8月9日に優勝メンバーと石川顧問らは、トレセンに大迫三徳場長を訪ね、優勝を報告し、日頃の支援に深く感謝。2年生の川島さん、岸本さんは「全日本で連覇を狙う」と誓った。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 人馬一体 つかんだ全国V

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