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伝統の麻織物 若者に照準

伝統の麻織物 若者に照準

湖東の繊維組合 ブランド設立

体温で変色Tシャツ開発

「蒟蒻麻絲」のTシャツを披露した辻副理事長(右から2人目)ら(県庁で)
「蒟蒻麻絲」のTシャツを披露した辻副理事長(右から2人目)ら(県庁で)
新ブランド「蒟蒻麻絲」のプロモーション映像の一部=湖東繊維工業協同組合提供
新ブランド「蒟蒻麻絲」のプロモーション映像の一部=湖東繊維工業協同組合提供

 麻織物業者でつくる湖東繊維工業協同組合(東近江市)は、伝統技術とストリートカルチャーを融合させたブランド「
蒟蒻麻絲こんにゃくあさいと
」を設立し、肌触りにこだわった「こんにゃくのり付け加工」の生地や体温で色が変わる染色のTシャツを開発した。(青山大起)

 湖東地域は室町時代から麻織物の産地として知られ、糸から製品加工まで一貫生産を行っているが、生活スタイルや消費者ニーズの変化に対応し、麻の魅力を次世代にどう伝えていくかが課題となっている。

 このため、同組合の辻英幸副理事長は、伝統的な麻織物の技術にストリートカルチャーを取り入れ、若者をターゲットにした製品の開発に着手。麻糸を主役にした商品を目指し、「素材で語る」ことができるTシャツを選んだ。

 開発には同組合の6社が強みを生かし、加工や染色、縫製などをそれぞれ担当した。こんにゃく芋からつくったのりを麻糸一本一本にコーティングし、編んでニット生地にした。肌触りが良く、冷涼感のある着心地に加え、シルクのような光沢感のある仕上がりになったという。

 さらに若い世代に響く商品にするため、温度や体温がおよそ26度になれば、色が変わる特殊な染料を使用。ライブなどで熱狂する観客を想起させる動きのあるデザインにした。

 辻さんは「私たちが個々に持つ伝統的な技法を重ね、若者に合う価値観に表現できた。このブランドは伝統文化と次世代への思いを込めたメッセージ。これをきっかけに麻の可能性を広げていきたい」と話している。

 Tシャツの販売予定価格は無地が約1万7000円、温度で色が変わるTシャツが約2万9000円など計4種類を用意した。同組合は、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で先行販売している。

 6月24日には大阪・関西万博の関西パビリオンで出展するほか、7月以降に同組合が運営するアンテナショップ「
麻香あさがお
」(近江八幡市)などで販売を開始するという。

 問い合わせは湖東繊維工業協同組合(0748・42・0398)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 伝統の麻織物 若者に照準

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