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動物いきいき 仏教美術

動物いきいき 仏教美術

比叡山国宝殿 建築装飾など20件

鶴と亀が施された根本中堂蟇股(大津市で)
鶴と亀が施された根本中堂蟇股(大津市で)
葛川明王院の獅子(右)と狛犬(大津市で)
葛川明王院の獅子(右)と狛犬(大津市で)

 比叡山諸堂や関連寺院に伝わる動物に関連した寺宝約20件を集めた企画展「比叡山いきもの図鑑―仏教と動物たち―」が、大津市の比叡山国宝殿で開催されている。23日まで。

 仏教と動物の関係は、仏教がインドで発祥した紀元前5世紀頃に始まり、多様な形で変化してきたという。自然豊かな比叡山には、サル、シカ、イノシシ、野鳥、虫といった数多くの生き物が生息。天台宗では動物や草木もみな成仏できる教えがあり、建造物の装飾彫刻や、美術工芸品などの中に多く登場している。

 企画展では、素朴で愛らしい表情の葛川明王院本堂内陣の獅子・
狛犬こまいぬ
(室町時代)や、延暦寺西塔釈迦堂にある山王社の彩色された獅子・狛犬(江戸時代)を展示。インドや中国では守護獣として一対の獅子の像が仏前に安置されるが、仏教とともに日本に伝来してからは、獅子と狛犬の組み合わせに変化。その経緯や、宮中や神社にも置かれるようになったことなどについて説明している。

 天台大師・
智■(ちぎ)
の直筆と伝わる法華経を包んだとされる「尾長鳥繍縁花文錦打敷」(鎌倉時代、重要文化財)には、尾長鳥が藍や
浅葱あさぎ
などの太めの絹糸で刺しゅうされている。また、大規模修理中の根本中堂
かえる
股(国宝)のうち、「鶴・亀」、「
麒麟きりん
」の彫刻が施された2点も公開。1753年(宝暦3年)の彩色が、よみがえった姿を間近で見られる貴重な機会となっている。

 国宝殿の宇代貴文・主任学芸員は「仏教を通じ、人と動物が歩んできた歴史と文化に触れ、仏教美術の魅力を堪能してもらえれば」と話している。

 午前9時~午後4時。入館料は大人500円、中高生300円、小学生100円(別途入山料が必要)。問い合わせは延暦寺(077・578・0001)。

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