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十一面観音 東京で公開

十一面観音 東京で公開

日本橋・「長浜観音堂」 最後の企画展

本堂に安置されている十一面観音立像(10月30日、長浜市で)
本堂に安置されている十一面観音立像(10月30日、長浜市で)
東京長浜観音堂で公開されている十一面観音立像(東京・日本橋で)
東京長浜観音堂で公開されている十一面観音立像(東京・日本橋で)

 長浜市と住民らでつくる「観音の里・祈りとくらしの文化伝承会議」が開催してきた東京・日本橋の「東京長浜観音堂」が今年で閉館する。最終会期が1日にスタートし、同市高月町の渡岸寺観音堂(向源寺)所蔵の十一面観音立像(平安時代、県指定有形文化財)が「最後の観音様」として公開されている。12月1日まで。

 渡岸寺観音堂は聖武天皇の勅願により、建てられたと伝わる
古刹こさつ
。寺伝によると、736年(天平8年)に僧泰澄が病よけのために十一面観音を刻み、堂を建立したのが起源とされる。十一面観音立像は、同名の国宝が秘仏だった時代に、身代わりとなる「お前立ち」の像として信仰され、今は本堂に安置されている。

 像高39センチで、カヤの一木造り。伏し目がちの穏やかな表情で、なで肩で細身の体つきとなっている。着衣には細かく切った
金箔きんぱく
を用いた繊細な
截金きりかね
技法が施されている。

 長浜市北部には100を超える観音像が点在。平安時代から仏教文化が栄え、姉川の合戦、賤ヶ岳の合戦などで戦火に見舞われる中、村人が観音像を田んぼに埋めるなどして守ってきた。

 市は、首都圏で観音文化を発信し、保存伝承に向けた支援者を獲得しようと、10年前から都内で企画展を順次開催。2021年に開館した「東京長浜観音堂」では、15か所の25体を公開してきた。

 十一面観音立像は、10月30日に東京長浜観音堂に向けて出発。送り出した高月町国宝維持保存協賛会の長谷川知司会長(79)は「多くの方にうちの柔和なお顔の観音さんを見ていただき、ぜひ長浜にもお越しいただければ」と話している。

 同観音堂は、東京都中央区日本橋の八重洲セントラルビル4階。入館無料。午前10時~午後6時で、月曜休館(祝日の場合は翌日)。問い合わせは同観音堂(080・1620・2090)。

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