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捜査指揮の元警官 証人尋問

捜査指揮の元警官 証人尋問

地裁 元看護助手国賠訴訟

記者会見で裁判の受け止めを語る西山さん(中央、大津市で)
記者会見で裁判の受け止めを語る西山さん(中央、大津市で)

 東近江市の湖東記念病院で死亡した男性患者に対する殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手・西山美香さん(44)が国と県に計約4300万円を求めた国家賠償請求訴訟の証人尋問が30日、地裁(池田聡介裁判長)であり、当時捜査を指揮した男性の元警察官が出廷した。

 訴状では、県警は西山さんの迎合しやすい特性や、取調官に恋愛感情を抱いていたことを利用してマインドコントロール(誘導)し、虚偽の自白供述書を作成。西山さんが否認した際の供述調書を作成せず、解剖医が自然死の可能性に触れた捜査報告書など、警察が不利になる証拠を検察に送らなかったなどと主張している。

 証人尋問で、元警察官は証拠について「記憶はなく、再審公判が始まる前に気付いた」と述べた上で、未送致の理由について「未完成だったり、重複だったり、内容が不正確だったり、メモと扱っているものもある。一切を送らねばならないと理解していなかった」と話した。

 また、捜査への影響については「警察が不利になるという認識はない」と主張。部下の取調官に西山さんが好意を抱いているという印象について問われると、「なかった」と答えた。

 西山さんの弁護団は、裁判後、大津市内で記者会見し、井戸謙一弁護団長は「自己保身や県警保身に終始した内容だった」と指摘。「法律に違反するということを認識していながら、都合の悪いものは送っていないとうことが明らかになった」と述べた。

 今後、西山さん本人の尋問が6月27日に予定されており、西山さんは「(取調官に好意を抱いていたことについて)知らないはずがない。次回の尋問で裁判官に伝えて、わかってもらえるようにしたい」と話した。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 捜査指揮の元警官 証人尋問

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