近江八幡・浄厳院 来月から作品展
海外の芸術家が近江八幡市安土町の浄厳院に滞在し、作品を制作する取り組み「アーティスト・イン・レジデンス」が行われている。ロシアによる侵略で避難生活を続けるウクライナの画家をはじめ、スペイン、ドイツの5人が来日して9月末まで創作活動を続ける。(中村総一郎)
ウクライナ人画家ら5人
海外アーティストによるレジデンスは、芸術家グループ「
」(長浜市)が2022年から開催している。
ウクライナの画家マリア・ルイーザ・フィラトバさん(25)は3年連続の参加。家族がいる南部ザポリージャを離れ、スロバキアとの国境に近い西部の街に避難しており、「ウクライナは危険があり、眠れないこともある。日本は安全。アートに集中できる」と話す。
「滋賀の田園風景は故郷ザポリージャの風景に似ている」というフィラトバさん。今年も滋賀の田園風景を描くといい、「国それぞれに自然の色があり、年々、自然に寄り添う気持ちが深くなっていく。今年は、同じ場所を少し変えて描きたい」と意気込んでいる。
スペインのニコ・バイシャスさん(53)は世界的なパフォーマンス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の元役者。寺の額に書かれた漢字に着想を得て、漢字に見立てた自分の手の形を木製の板に彫る作品などを制作中。バイシャスさんは「手触りが感じられるように表現したい」と話す。
ドイツの映像作家トーマス・シュロットマンさん(56)は寺の周辺にある空き家に興味を抱いたといい、「インタビューや映像で空き家のストーリーを作品にする」と張り切っている。
5人の作品は10月26日~11月17日、浄厳院で開催する現代美術展で披露する。問い合わせは同グループ代表の西村のんきさん(080・1414・6650)。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 海外芸術家 寺拠点に創作