3回目に大技 「自分らしく」見せた
ミラノ・コルティナ冬季五輪のスノーボード女子ハーフパイプで12日(日本時間13日)、4位に入った大津市出身の清水さら選手(16)。冬季五輪でメダルにあと一歩と迫った滑りの背景には、幼少期から積み重ねてきた努力と負けん気の強さがあった。

決勝は2回目まで転倒があり、最後の3回目で女子最高難度の「フロントサイドダブルコーク1080」(縦2回転、横3回転)を成功させた。昨夏から力を入れて取り組んできた技を決めたものの、3位とは1点差の84・00点。それでも、初出場の五輪で「自分らしく楽しんで滑る姿を見せたい」という目標は果たした。
滑走順が1番となった11日(同11日)の予選も1回目にミスが出て22位。重圧のかかる2回目で高さのあるエアから難度の高い技を繰り出した。2回目では最高となる87・50点をたたき出し、全体2位で決勝に進んだ。母の里紗さん(44)は「肝が据わっているところはお父さん似かな。アスリート向き」と評する。
両親の影響でスノーボードに出会った。小さかった清水選手を抱っこしながら滑っていた父の卓郎さん(46)は、「一緒に遊べるのは小さい頃だけと思っていた。『もっと早く!』とか、『ジャンプ!』とか言われて、ほぼ筋トレでした」と笑う。
一人で滑り出したのは4歳の時。男子の平野歩夢選手(27)が15歳で銀メダルを獲得した2014年ソチ大会後、よく通った長野のスキー場で、周囲から「将来は五輪選手だね」と声をかけられるようになった。「あれで(五輪を)意識し始めたのかも」と卓郎さんは振り返る。
ハーフパイプは小学1年の夏から始めた。回転技に磨きをかけるため、小学4年から草津市内の体操教室にも通うように。清水選手を指導した五嶋賢倫さん(45)は「できない技があると、どうやればいいか徹底的に質問してきて、絶対に諦めない子だった」と目を細める。自宅でも練習するほど熱心に取り組み、側転やバク転、宙返りも軽々とできるようになった。
自宅で決勝の様子をドキドキしながらテレビ観戦したという五嶋さんは「最後の1回で難度の高い技を決めた精神面がすごい」と教え子をねぎらいつつ、「五輪に出ることだけが目標ではなかったと思う。勝ちたかったはず」と4年後の活躍を期待していた。
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清水選手が在学する平安女学院高(京都市)では、パブリックビューイング(PV)が開かれ、同級生や保護者ら約170人が応援した。メダルまであと一歩となる滑りに大きな拍手が送られた。
保護者が同伴するなどして参加した同級生らは、スティックバルーンを打ち鳴らしたり、座椅子から身を乗り出したりしながら、「さら!頑張れ!」と声をからした。
