県とオーストリア 相互訪問やパートナー宣言



琵琶湖とオーストリアは控えめに言って
二つ――。4年前に現在のオーストリア大使館観光部の職員がツイッター(現X)でそうつぶやいたのをきっかけに、10月には同国南部グラーツのエッゲンベルク城で見つかった
に描かれた豊臣期大坂城の「唐門」(国宝)がある宝厳寺(長浜市)の住職らが招待されるなど、滋賀県と同国の交流が進んでいる。(林華代)
大使館観光部の大西悠さんは、2021年の「びわ湖の日」(7月1日)に、琵琶湖とオーストリアの形が酷似しているとツイッターに投稿。それを見たびわこビジターズビューローのレイス有紀子さんらがお礼の意味を込めて信楽焼のたぬきを贈ると、「
」で知られる同国の画家「グスタフ・クリムト」にちなんで「グスタフ」と名付けられた。
同年のうちに、県の招きで大西さんらが滋賀を訪問。大西さんは同国には湖の周りで静養する文化があり、「山と湖に囲まれた湖西地域を眺めた際、オーストリアとよく似ているなと思った」という。その後も、同国ノイジードラー湖のサイクリングロードの一部が「SHIGA―ROAD」と命名されたり、びわ湖ホール(大津市)の音楽祭で同国物産展が開かれたりするなどしてきた。
今年はエッゲンベルク城の築城開始から400年の節目にあたり、同部が宝厳寺の峰覚雄住職やレイスさんらを招待。一行は10月2日に訪れ、グラーツ市観光局などとびわこビジターズビューローは今後の相互交流を促進するパートナーシップ宣言を行った。
レイスさんは、同局に琵琶湖がオーストリアと形が似ていて、世界有数の古代湖であることや、自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」などをPRし、最後に信楽焼のたぬきをプレゼント。今後の両者の発展を誓った。
豊臣期大坂城を描いた屏風は06年に発見され、日本向けのガイドブックには掲載されているが、同国の人々にはほとんど知られていないという。屏風を研究するエッゲンベルク城のバルバラ・カイザー主任学芸員は「グラーツ市観光局が屏風を強みに発信を頑張ってほしい」と話している。
万博でもご縁
大阪・関西万博の閉幕に伴い、オーストリア館に飾られていた音符のオブジェや、キャラクター「あかしろあか」のバルーンなどの装飾品=写真=が滋賀県に贈られた。県国際課の担当者は「万博で交流した関係機関や、オーストリアの関連イベントなどで展示し、大切に使わせていただきます」としている。

