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県予算 国・障スポ注力

県予算 国・障スポ注力

新年度案6462億円

 県は7日、6462億円の2025年度一般会計当初予算案を発表した。9月に開幕する国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会(国スポ・障スポ)の開催経費などで前年度比で5・2%増え、新型コロナ対策を除いた予算規模としては過去最大となった。公共交通の維持や防災力向上に重点を置いた予算編成となっており、14日開会の県議会に提案する。(西村歩)

公共交通、防災力向上も

■重点施策

 国スポ・障スポ関連では、開催経費に120億円を計上。国スポで天皇杯獲得(男女総合優勝)、障スポで全種目出場を目標に掲げ、選手の育成強化などに7億9700万円を充てる。

 公共交通を巡っては、近江鉄道の沿線自治体などでつくる機構が保有・管理する線路や踏切の修理費などに2億2800万円を用意。信楽高原鉄道の運行支援にも3600万円を盛り込んだ。公共交通機関が利用しにくい「交通空白」の対策として、県内タクシー事業者の配車アプリ導入費用の補助などに1800万円を確保した。

 防災面では、地震を感知して電気を遮断する「感震ブレーカー」の普及促進に500万円を計上した。シカによる食害が原因とみられる土砂災害が相次いだ伊吹山では、1億円をかけて治山対策を行う。

 また、約2か月後に開幕する大阪・関西万博については、子どもの無料招待事業や関西パビリオンの滋賀ブース運営などに5億7900万円を充てた。

■歳出

 人件費や社会保障関係などの義務的経費は前年比1・1%増の3197億9800万円。うち、人件費は職員などの給料改定で1・2%増の1754億1900万円。扶助費は、後期高齢者医療費などが膨らみ、5・1%増の721億4900万円となった。

 目的別では、国スポ・障スポの経費や県立琵琶湖文化館の整備費を含む文化スポーツ費が66・3%増の225億3400万円。教育費は、守山市に新設する特別支援学校の関連費用などで6・7%増の1419億2700万円となった。

■歳入

 全体の3割を占める県税収入は1950億円で過去最高を更新。内訳は、賃上げなどの影響で個人県民税が前年度比14・9%増の639億8700万円。法人事業税と法人県民税の法人2税も、堅調な企業業績を背景に9・4%増の612億8900万円を見込んでいる。

 物価高対策などを含む国庫支出金は9・4%増の693億1700万円。予算編成で104億円の不足が生じたため、貯金に相当する財政調整基金の取り崩しや借金にあたる県債の発行で穴埋めした。

知事部局定数 32人増へ 組織改編

 県は、2025年度の職員定数と組織改編を発表した。児童相談所の態勢強化や国民スポーツ大会などの開催に対応するため、知事部局の定数を32人増やして3495人にする。

 県警についても、SNSなどでメンバーを集めて事件を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)への対策などで、警察官の定数を60人増員。2372人とする。

 組織改編では、子ども若者部に、いじめや不適切な指導などに対応する「子どもの権利室」を新設。健康医療福祉部には、県庁西隣の県有地に看護系大学などを誘致する「医療福祉拠点」の整備に向け、医療福祉人材の確保などを担う「医療福祉連携室」を置く。また、3月末で県土地開発公社が解散するため、用地取得や造成などの役割を引き継ぐ「用地事業支援課」を土木交通部に設置する。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 県予算 国・障スポ注力

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