桜の開花が進み、春の観光シーズンが到来する中、県などは自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」を手軽に楽しんでもらおうと、自転車と遊覧船を組み合わせた新たなレジャー体験を提案している。
5日から 自転車積み込みOK 周遊航路「LAGOクルーズ」
ビワイチは、自転車で観光地を巡る「サイクルツーリズム」を推進するために国が指定している「ナショナルサイクルルート」の一つ。2024年に約11万9000人が体験するなど県内でも人気の観光コンテンツとなっている。
一方で、約200キロを走行する必要があり、初心者や体力のない女性や子どもにはハードルが高く感じられることもある。そこで、県は琵琶湖大橋以南の南湖を1周するコース(約50キロ)を提案したり、電動アシスト自転車の利用を呼びかけたりしてきた。
4月からは、大津市の「
造船所」と連携。おごと温泉港と草津烏丸半島港(琵琶湖博物館)、におの浜観光桟橋(LAGO大津)を周遊する航路「LAGOクルーズ」で、列車などに自転車を積み込む際に用いる「輪行袋」を使わずに、同造船所が運航する遊覧船内に自転車を持ち込めるようにした。

今月27日には報道向けの体験会が開かれ、同造船所の仲野智之社長は「気軽に自転車を船に載せて、帰りは船の中で休みながら琵琶湖の景色を楽しんでもらいたい」とアピール。県ビワイチ推進室の中野秀人室長は「自転車と船で県内を巡ってもらい、家族連れの方にもビワイチの裾野を広げたい」と話した。
船内への自転車の持ち込みは4月5日からで、運航は土日祝日のみ。事前予約や通常の乗船料以外の追加料金は不要。問い合わせは同造船所(077・572・2114)。
「湖上ルート」疲れ軽く 記者が体験
報道向けの体験会には、記者(25)も参加した。
大津港(大津市)を午後2時頃、スポーツタイプの電動アシスト自転車「イーバイク」で出発。気温は17度前後。烏丸半島(草津市)までの約16キロを琵琶湖の春の風を感じながらサイクリングした。約1時間後に到着すると、今度は遊覧船「屋形船四季」に自転車を積み込み、におの浜観光桟橋(大津市)まで約45分間の船旅を楽しんだ。
思い返せば、取材でビワイチの区間を走るのは2回目。2024年7月、大津港―第2なぎさ公園(守山市)間をクロスバイクで約6時間かけて往復した。2か月前に新人として着任したばかり。初めての体を張った取材で、猛暑による疲労と日焼け対策を忘れた後悔、その末に見た琵琶湖の景色はほろ苦さもあって今も忘れられない。
あの時も船に乗れていたら、どれだけ楽しい思い出になっていたことか。体験会では、サイクリングとクルージングを一度に味わえた。航路の利用で体力的な負担が少なくて済むことにも気づかされ、ビワイチの〈湖上ルート〉に大きな可能性を感じた。
(東川直央)
