17日 大津でコンサート
「ナガサキ」の話や高校生演劇も
80年前に原爆が投下された広島で、傷つきながらも焼失を免れた「被爆ピアノ」の演奏を聴き、平和を願う「被爆ピアノコンサート~記憶をつなぎ 核なき世界へ~」が17日、大津市本丸町の市生涯学習センターホールで開かれる。合わせて長崎での被爆者が体験を語り、県内の高校生が平和をテーマにしたパフォーマンスも行う。(名和川徹)
コンサートでは、広島市安佐南区の調律師で被爆2世の矢川光則さん(72)が修理し、保存している被爆ピアノ7台のうちの1台が使われる。7台は爆心地から約3キロ以内で被爆し、1998年以降に所有者から託された。矢川さんは平和学習などに生かしてもらおうと、2001年からアップライト型を中心に自らトラックで運び、全国各地に貸し出している。
コンサートは今年、被爆から80年を迎え、昨年には日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞したことを記念して、新日本婦人の会県本部などでつくる実行委員会が開く。
当日午後1時半に開演。2部構成で、第1部は、長崎で被爆した草津市在住の大村信代さん(86)が自身の体験を語る。続いて、県立伊吹高書道部が書道パフォーマンスを披露し、近江兄弟社高の演劇部はオリジナルの台本で舞台を務める。
第2部が被爆ピアノコンサート。大津市在住のピアニスト山田葉子さんが被爆ピアノで「動物の謝肉祭」(サンサーンス)などを演奏する。17年に「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞を受賞した際、ノルウェーでの授賞式の関連イベントで演奏された被爆ピアノが使用される予定だ。
矢川さんは「被爆者の方々は高齢化し、戦争を語り継ぐ世代が少なくなるなか、被爆ピアノの役割は大きくなっている。コンサートに参加した方が平和を考えるきっかけになれば」と話している。
参加費は大人1500円、小中高校生500円。問い合わせは実行委事務局の新日本婦人の会県本部(077・522・5818)。
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関連行事として、大津市生涯学習センターギャラリーで16、17両日、広島市立基町高の生徒が被爆者の話を聞いて描いた作品約30点を展示する「広島の高校生が描いた原爆の絵画展」(観覧無料)も開く。