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観光客増 「光る君へ」効果

観光客増 「光る君へ」効果

昨年県内 5043万人

 県は、2024年に県内を訪れた観光客数が前年より約11万人多い5043万8261人だったと発表した。紫式部が主人公のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送で県内の寺社などに注目が集まり、県観光振興局の担当者は「大河関連の自治体や地点を中心に増加が見られた。今後も人を呼び込めるイベントが続くので、滋賀の魅力を国内外にPRしていきたい」としている。(角川哲朗)

大河舞台 寺社に注目

 県内の観光地やイベントなど年間1000人以上の観光客が見込まれる754地点で、24年1~12月のデータを集計した。その結果、日帰り客が4659万5185人(前年比0・1%増)で、全体の9割以上を占めた。宿泊客数は、彦根市や高島市に新たな宿泊施設がオープンしたことや、新型コロナウイルス感染者向けの宿泊療養施設の運営終了で宿泊客を受け入れる施設が増えたことなどで、384万3076人(同1・4%増)となった。

 観光地別では、スイーツなどが楽しめる近江八幡市の商業施設「ラ コリーナ近江八幡」が改装工事の影響で前年から約176万人減の232万5047人となったものの、9年連続で最多となった。次いで多賀町の多賀大社が187万4623人で、長浜市の黒壁ガラス館が182万6301人で続いた。「光る君へ」の衣装や小道具などを展示する大河ドラマ館が設けられた石山寺(大津市)は47万2300人で、前年は30位までに入らずランク外だったが、16位に急浮上した。

 観光の目的別でみると、大河ドラマの放送で同寺などゆかりの寺院や大河ドラマ館を訪れる人が増えたことで「歴史・文化」が前年比11・7%増の1203万6387人となった。一方、「都市型観光」は「ラ コリーナ」の大幅減が響き、同14・5%減の851万1592人だった。

 飲食店や土産物店での買い物などの観光消費額は、物価の上昇もあって同31・9%増の2265億円。観光客1人が1回の旅行で使う消費額単価は、日帰り客は前年より654円増えて4790円、宿泊客は1942円減の2万1098円だった。

 外国人の観光客数は、全国的な訪日旅行需要の高まりで同15・0%増の51万4541人。ただ、全国に比べて伸び率が低い傾向にあるという。県は、京都を訪れた訪日外国人客を滋賀に呼び込むため、今年7月にJR京都駅構内に「そこ滋賀」をオープンするなど対策を強化しており、県観光振興局は「宿泊率が低いのも課題で、様々な観光プランを作り県内を周遊してもらえるような仕組みを考える必要がある」としている。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 観光客増 「光る君へ」効果