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近江鉄道題材に新作狂言

近江鉄道題材に新作狂言

16日・甲賀、3月22日・日野 公演

本番に向け稽古に励む出演者ら(京都市で)
本番に向け稽古に励む出演者ら(京都市で)

 県を題材にした新作狂言を制作する恒例の「おうみ狂言図鑑」が16日と3月22日に開催される。今年の新作は近江鉄道とその沿線を舞台にした「近江鉄道珍道中」で、甲賀市出身の講談師・旭堂南湖さん(51)が台本を手がけ、京都の大蔵流狂言・茂山千五郎家が演じる。南湖さんは「近江鉄道と講談と狂言という異色のコラボを楽しんでほしい」と話している。(角川哲朗)

講談師が台本 異色コラボ

 おうみ狂言図鑑は、茂山千五郎家が彦根藩のお抱えだった縁で、近江の魅力を発信しようと2011年にスタート。びわ湖芸術文化財団などの主催で、これまで「
ふな
ずしの憂うつ」「安土城ひみつ会議」など、県の名物などを使って毎年テーマを替えて狂言をつくっている。

 近江鉄道珍道中は、「東京の会社会長と秘書がとある公演を見るため大阪市の京セラドームに向かうが、なんと着いたのは近江鉄道の……」というストーリーで、近江鉄道に伝わる実話が基になっている。公演会場がいずれも沿線にあることから同社との協力が実現した。

 「ヤイヤイ秘書や」など狂言独特の言い回しがあるかと思えば、演者がスマートフォンを片時も離さず持っているなど、客を引き込む工夫が随所にちりばめられている。1月下旬に京都市内で行われた稽古では、演出の茂山童司さんがセリフの間や効果音などをチェックし、演者と調整していた。童司さんは「狂言は短いコメディー。作品を通し、様々な方に狂言の面白さが伝われば」と期待する。

 台本を書いた南湖さんは県立水口東高校出身。近江鉄道を横目に自転車で通学していたといい、電車が走っている風景を思い出しながら脚本を書いたという。講談でよく使うが狂言では使わないセリフも出てくるほか、県の自虐ネタなども盛り込んでおり、南湖さんは「狂言の伝統的な美しさと、現代的な面白さが共存している。笑いのあふれる作品なので、『古典は難しい』というイメージを
払拭ふっしょく
して気軽に見てもらえれば」と話している。

 公演は16日があいこうか市民ホール(甲賀市)、3月22日がわたむきホール虹(日野町)でいずれも午後2時開演。チケットは一般2500円、24歳以下1000円で、未就学児は入場不可。問い合わせはびわ湖芸術文化財団地域創造部(077・523・7146)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 近江鉄道題材に新作狂言

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