LINEに相談窓口も
長浜市は、農業従事者の高齢化や担い手不足の解消を図ろうと、遊休農地の情報をデジタル化してインターネットで公開を始めた。LINEを活用した農地売買の相談窓口も開設し、農地のニーズをマッチングする体制を構築。農家や農業法人だけでなく、市内外の新規就農者の利用を促し、遊休農地の有効活用を狙う。(清家俊生)
ニーズマッチング 有効活用推進
市農業委員会によると、市内の遊休農地の情報は台帳にまとめており、新規就農者などが一から遊休農地を探す場合は、市役所で台帳を閲覧する必要などがあった。
市内には約7890ヘクタールの農地があり、うち約50ヘクタールが遊休農地という。昨年6~7月、市内4か所で農地相談会を実施したところ、「農地を売却したい」「後継者がおらず引き継げない」といった相談が19件寄せられた。市農業委は想定以上の相談があったことから、相談窓口の常設を検討。3月19日から市の公式LINEのメニューに「農地相談」を追加した。全国でも珍しい取り組みという。
市公式アカウントを「友だち」に追加すれば利用でき、メニューを開いて「手続き・調べもの」から「農地相談」を選択。指示に従って、売買や貸借したい農地の情報提供や、日常的な管理に関する相談内容を入力する。返信は市農業委事務局の職員が行う。
集まった情報は、市の公開型地図情報「ながはまっぷ」(https://www.sonicweb-asp.jp/nagahama2)で公開。地図上の「売」のアイコンをクリックすると、面積や用途など詳細を見ることができる。
同市本庄町の男性(75)は後継者がおらず、約3100平方メートルの田んぼの売却希望を登録。「継続して米を作ってくれる人が見つかれば」と期待を寄せている。
市農業委事務局の宮本安信次長は「市内の農地を維持することが地域産業を守ることにつながる。今後も農地相談を充実させ、遊休農地の有効活用を進めたい」と話している。