草津市 トレーニング動画
仕事に割かれる時間が多く、運動不足になりがちな30~40歳代を主なターゲットに、手軽に体を動かせるよう、草津市は運動プログラム動画「くさつ健幸BOOST」をユーチューブの市公式チャンネルに公開した。息が上がりそうな頃合いになると、橋川渉市長のアバター(分身)が現れて、「ギアを上げていきましょう」「最後までやりきりましょう」とエールを送る仕掛けになっている。(河村真司)
週3回 心理面にも効果
市は、健康で幸せに暮らせる「健幸創造都市」の実現を目指しており、健康への意識や関心が低い層に効果的なアプローチを求めて2023年度から2年間、立命館大と共同研究を行ってきた。市職員を対象に8週間にわたって複数の運動をしてもらって検証した結果、運動の負荷に強弱をつけた「インターバルトレーニング」が、体重や持久力などすべての項目で最も効果的とわかった。
動画のトレーニング内容はボクシング動作が基本で、20分版と40分版がある。強め2分、弱め3分の計5分を1セットとして、20分版は4セット、40分版は8セットを繰り返す。共同研究では週3回のペースで取り組むうち、心理面でも気持ちがすっきりするなど、日々の生活に活力も生まれたという。
ただ、課題はつらい運動をいかに継続できるようにするか。市健康福祉政策課の担当者は「トレーニング動画だけでは(継続は)難しいだろうと思い、市長に登場してもらった」とアバターを導入した経緯を明かす。また、草津宿本陣前や琵琶湖岸などで撮影して背景の変化もつけた。「高齢者を対象にした運動プログラムはこれまでにもあったが、比較的若い世代を対象にしたものはなかった」と、運動離れが深刻な世代に届くことを期待している。
9月に同大学で開かれた市民公開講座で、共同研究結果を発表したスポーツ健康科学部の家光素行教授は、動画について「全身運動で心拍数を上げることが重要だが、ジョギングやウォーキングは単調で飽きてしまう。頭を使いながら動けば飽きない」と説明。「まずはハードルを下げて、20分版で週3回。継続が一番です」と話した。
動画には、トレーニングの動作や効果を説明する約1分半の導入版もあるが、よりわかりやすくするために内容を近く刷新。一つ一つの動作を正面と横から撮影して、時間も6分程度にしたものを公開する予定で、市の担当者は「パンチやキックの動きを練習しやすくする」としている。