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障害児のサッカーリーグを

障害児のサッカーリーグを

東近江の法人など 来春創設

楽しむ最優先 「運動諦める現状 知って」

新リーグの創設を目指す高橋さん(東近江市で)
新リーグの創設を目指す高橋さん(東近江市で)

 東近江市でスポーツスクールなどを運営する一般社団法人「
JYUYON14ジューヨンACADEMYアカデミー
」などが来春、障害児のサッカーリーグを国内で初めて創設する。発起人の一人で、同法人が運営するスポーツ少年団「東近江FCレジリエンス」代表の高橋平さん(46)は「障害児らが、やりたいスポーツを諦めている現状を知ってほしい」と新リーグにかける思いを語る。(香山優真)

 高橋さんは12年前、当時勤めていた工場で脊髄を傷める大けがを負い、車いす生活に。大好きだったサッカーから一時は離れたが、バスケットボールやフェンシングの車いす競技を始めると、勝ち負けだけではない障害者スポーツの楽しさに魅せられた。

 それだけに、パラリンピックなどの大型大会で勝ち負けが重視されることに疑問を感じ、障害児向けのチームが少ない現状にも心を痛めた。そこで、2020年にFCレジリエンスを設立。現在は発達障害の子どもを中心に小学生から高校生まで約30人が参加し、週1回、東近江市立愛東北小の体育館で活動している。

 チームのモットーは「楽しむこと」。サッカーだけに制限せず、子どもたちがやりたいスポーツを出来る環境作りを行っている。

 知的障害のある息子2人を参加させる同市の会社員堤宣人さん(48)は「障害児向けのチームはなかなか見つからず、健常児のチームに入れることも考えたが、楽しむことより勝ち負けが優先されるので諦めた。今はユニホームを学校に着ていくほどにサッカーが大好きになった」と息子たちの変化を喜ぶ。

 こうした保護者の思いに触れ、高橋さんは障害児スポーツを取り巻く環境を調べることにした。22年に市内の小中学校を通じ、支援学級の児童・生徒の保護者にアンケートを実施。クラブの指導者らの理解を得られないなどの理由で、やりたいスポーツを諦めた子どもが、少なくとも約200人いるとわかった。

 障害児スポーツへの理解を広めるきっかけをつかもうと、高橋さんは今年春、関西各地で同様の活動をするチームを視察。連携の可能性を探る中でNPO法人「Teamプレイズ」(大阪府)代表の河原畑康高さんと出会った。

 「単発で大会を開くのではなく、リーグを作って継続的に集まる方が、活動の輪が広がり、現状を変えるための影響力を持てる」。2人で意気投合し、河原畑さんが代表、高橋さんが副代表という態勢で創設準備を始めた。

 新リーグ「関西レインボーリーグ」(仮称)には、FCレジリエンスやTeamプレイズなど関西の6チームが参加を決めており、他にも検討中のチームが複数あるという。年3~4回集まり、6~8人制のサッカーの試合を総当たり形式で行う計画だ。年間成績で順位も決めるが、楽しむことを最優先する。

 10月12日には野洲川歴史公園サッカー場「ビッグレイク」(守山市服部町)で、先行イベント「アダプテッドサッカーフェスティバル滋賀」を開催する。交流試合のほか、小型ロケットの打ち上げなどの企画もあり、誰でも無料で参加できる。高橋さんは「まずはリーグを知ってもらうことを目指す。いずれは関西の枠を超えて全国に広げたい」と話している。

 新リーグや先行イベントに関する問い合わせは高橋さん(090・9056・4497)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 障害児のサッカーリーグを