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雪野山の副葬品 古代語る

雪野山の副葬品 古代語る

東近江・古墳出土品 29日から公開

国重文の銅鏡や復元かぶと

発掘調査で見つかった雪野山古墳の石室=東近江市提供
発掘調査で見つかった雪野山古墳の石室=東近江市提供
特別公開で展示される銅鏡=東近江市提供
特別公開で展示される銅鏡=東近江市提供

 東近江市の前方後円墳「
雪野山ゆきのやま
古墳」(国史跡)の副葬品を展示する「雪野山古墳出土品特別公開」が29日から11月16日、同市山路町の能登川博物館で開かれる。36年前に未盗掘の竪穴式石室から見つかった大型銅鏡「三角縁神獣鏡」など約50点で、いずれも国重要文化財に指定されている。市埋蔵文化財センターは「東近江市の貴重な史料を知ってほしい」としている。(中村総一郎)

 雪野山は同市西南に位置し、1989年9月、山頂部に竪穴式石室が見つかった。大阪大の古墳発掘調査団が調べたところ、古墳時代前期(4世紀前半)の古墳であることが判明した。

 副葬品は、銅鏡5面、漆製品34点、鉄製品75点、ガラス小玉2点など計218点(国重要文化財)を確認。石室内の保存状態が良く、副葬品の配置やセット関係が分かるため、古墳時代の考古資料の編年研究を進展させたと指摘される。

 今回展示するのは、縁の断面が三角形に見える青銅製の大型鏡で背面に神獣などの文様が彫られた「三角縁神獣鏡」3面と、「
内行花文ないこうかもん
鏡」などの国内産鏡2面。弓矢を入れる矢筒「
ゆき
」もあり、水銀朱で赤く着色されていて、絹糸をひし形文様に編み上げ、黒漆で固められている。

 小さな鉄板(
小札こざね
)を革ひもでとじ合わせたかぶと「小札
革綴冑かわとじかぶと
」については、見つかった約100枚の小札を展示。復元品も初めて飾る。

 特別公開は、文化財保護強調週間(11月1~7日)に合わせ、市制20周年記念事業として開催。会場には、雪野山古墳竪穴式石室の原寸大模型も7年ぶりに登場し、市埋蔵文化財センターの杉浦
隆支たかし
所長は「古墳時代の有力者の埋葬法を知る重要な手がかりだ」と話す。

 11月9日午後1時半からは、講演会「ヤマト政権と雪野山古墳―古代の日本列島はどのようにして『国』へと形づくられていったか?―」があり、発掘調査に参加した福永伸哉・大阪大名誉教授と、史跡指定に携わった
禰宜田ねぎた
佳男・大阪府立弥生文化博物館長が語る。同15日には現地見学会も開かれる。

 午前10時~午後6時。会期中の休館は月、火曜。問い合わせは市埋蔵文化財センター(0748・42・5011)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 雪野山の副葬品 古代語る