守山高実験 「想像より簡単」
タブレット端末を使った「電子投票」による生徒会選挙が18日、県立守山高で初めて実施された。守山市の官民連携プロジェクトとして採択された実証実験の一つで、主権者教育の一環として行われ、2年生約270人が、投票箱に1票を投じる代わりに、タブレット端末の画面に表示された立候補者の名前をタッチペンで押して投票した。
電子投票は、昨年12月に全国で8年ぶりに実施された大阪府四條畷市長選などで使われた京セラ(京都市)のシステムを活用。生徒たちが投票を終え、開票所でタブレット端末内のUSBメモリーに書き込まれた内容をパソコンの専用ソフトで自動集計すると、投票結果が瞬時に判明した。京セラの担当者は「1万人分の結果も約3分で集計可能」と説明した。
男子生徒(16)は「音声の説明も流れるので思ったより簡単だった。昨年(の生徒会選挙)は紙での投票だったけど、こちらの方がわかりやすい」と戸惑いはなかった様子。「押すだけなので手の不自由な人にも便利。乱雑で読みにくい字もなくなり、間違いが減ると思う」と話した。
四條畷市では市長選、市議補選の当日分と期日前投票を電子投票、不在者投票は従来通りの「紙」で行った。電子投票の開票自体は約1時間で終わったものの、初めてとあって立会人への説明などに時間がかかり、終了までは紙による投票と同じ計1時間40分を要した。
しかし、疑問票などがなく、開票事務に携わる人員や拘束時間が少なくて済むのが最大のメリットだといい、「全国の自治体から問い合わせもある」と京セラの担当者。「ノウハウを蓄積し、選挙をサポートしていきたい」と話す。
守山市では今後、県立守山北高、立命館守山高の生徒会選挙でも電子投票を行う予定。この日視察した森中高史市長は「高齢者への実証も行ってみたい」と前向きな姿勢を見せていた。