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高専整備 発注方法を変更 

県 設計、施工別々に 事業費51億円増

 県立高等専門学校(高専)施設整備事業の入札が中止になった問題について、県は20日開会した県議会で、民間企業が事業を一括して受注するPFI方式をやめ、設計と施工を別々に発注することを明らかにした。同方式のまま再入札すると完成が遅れ、2028年4月の開校に間に合わない可能性があるため、方針転換する。また資材や人件費の高騰で、整備費が当初の想定より約51億円膨らむことも分かった。(矢野彰)

 県立高専は県立大の運営法人が設置主体となり、野洲市市三宅の県有地など約4万9300平方メートルに整備する予定。高専の基本構想によると、総事業費は118億7000万円で、そのうち校舎や実習工場、実験室棟などの施設整備に約87億円を見込んでいる。

 県は、民間が設計や施工、運営を一括で担うPFI方式で施設整備を行うことを決め、予定価格約110億円で入札を実施しようとしたが、参加予定の3グループが5月の入札前にいずれも辞退し、県は入札を中止した。

 予定価格と事業者の試算に大きな隔たりがあったため、県は最近の学校の整備実績などを参考に改めて整備費を算定。当初の見込みから約51億円増え、約138億円になったという。

 県によると、予定価格を増額して再入札したとしても、事業者を決めるのに少なくとも半年以上かかる。1グループで設計も施工も担うPFI方式では人手の確保が厳しい課題もあり、工事が遅れる恐れもあるため、導入を断念。設計と施工を分けて複数の事業者が関わることで整備期間を圧縮し、目標とする開校日に間に合わせる判断をした。

 県は、この日の県議会に今年度分の設計費3億7900万円を増額する一般会計補正予算案を提出。三日月知事が入札方法の見直しや、事業費の増額について説明した。

 議会後、報道陣の取材に応じた三日月知事は「開校時期の延期も考えたが、価格は今後も上がり続けると想定され、得策ではない。県民に説明責任を果たし、夢のあるプロジェクトを実現させたい」と述べた。事業費の増額については「結果的に見通しが甘かったと取られても仕方ない」と釈明した。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 高専整備 発注方法を変更 

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