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100畳大凧 制作再開

100畳大凧 制作再開

26日 東近江

事故から10年 「伝統文化を継承」

2011~13年の大凧まつりで揚げた100畳敷きの大凧(東近江市で)
2011~13年の大凧まつりで揚げた100畳敷きの大凧(東近江市で)

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が落下して死傷者が出た2015年の事故以降、途絶えていた100畳敷きの大凧の制作が26日、東近江市八日市東本町の東近江大凧会館で始まる。「近江八日市の大凧揚げ習俗」は国選択無形民俗文化財となっており、復活を目指す東近江大凧保存会は「東近江の伝統文化を継承したい」と、制作への参加も呼びかけている。(中村総一郎)

 事故は15年5月31日、同保存会や市などでつくる実行委員会が市内で開催した大凧まつりで発生。市によると、縦約13メートル、横約12メートル、重さ約700キロの大凧が落下し、観客1人が死亡、8人が重軽傷を負った。

 同保存会は翌年から100畳敷きの大凧の制作や凧揚げを見合わせてきた。このため、制作や飛揚技術の継承が危ぶまれるようになり、メンバーの減少や高齢化も進んだ。同保存会は今年4月の定期総会で小椋正清市長にこうした危機感を直接伝え、市は新たな大凧の制作費用に100万円を補助することを決めた。

 保存会は今月26日午後1時半から、大凧づくりを始める儀式「のりつけ式」を開催。その後、一般の人を対象に、和紙約400枚をつなぎ合わせて100畳大にする「紙継ぎ体験」を行う。予約は不要で、新しい大凧の絵柄は同日発表する。

 以降は、9月6日までの計27日間(毎週水曜の休館日、8月2日、11~20日、23日を除く)、午前(午前9時半~正午)、夜間(午後7時半~9時半)のいずれか、または両方で作業を進め、完成を目指す。同保存会のメンバーでなくても和紙貼りや絵付け、骨組みなどの工程を体験できる。年齢、経験は問わず、1日だけの参加も可能で、作業日程は東近江大凧会館のホームページ(https://higashiomi-j.com/oodakokaikan/)で確認できる。

 同保存会の山田敏一会長(70)は「大凧は江戸時代から受け継がれてきた伝統文化。壮大な大凧を一緒に作り上げ、感動を共有したい」と話している。参加の申し込み、問い合わせは同会館(0748・23・0081)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 100畳大凧 制作再開