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HPVワクチン 接種を

子宮頸がん予防など 周知

 子宮



けい


がんなどを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種の機会を逃した女性を対象に公費で行う「キャッチアップ接種」が来年3月末で終了する。対象は今年度、17~27歳になる1997~2007年度生まれ(誕生日が97年4月2日~08年4月1日)の女性。半年で3回の接種となるため、無料期間中に終えるには9月までに始める必要がある。(矢野彰)

公費負担「キャッチアップ」 来年3月まで

 子宮頸がんは子宮の出口付近に生じるがんで、国内では年間約1万1000人が

罹患

りかん


し、約2900人が死亡している。若い世代に多く、25~40歳の女性のがんによる死因の第2位となっている。

 子宮頸がんの予防に有効なHPVワクチンは2013年4月、小学6年~高校1年の年代を対象に定期接種となったが、体の痛みなどの訴えが相次ぎ、国は同年6月から約9年間、接種の積極的な勧奨を中止。その後、安全性に特段の問題はないとして、22年度に勧奨を再開し、同年度から3年間、キャッチアップ接種を実施してきた。

 一方、厚生労働省によると、再開後は安全性への不安や、キャッチアップ接種の周知不足から、接種率は低迷。22年度の1回目接種率は全国で6・1%にとどまり、県内でも7・4%と低かった。県によると、22年度の接種者数は1万1342人で、23年度も1万2287人と同程度だった。

 キャッチアップ接種ができる医療機関は各市町のHPで確認できる。問い合わせは市町の予防接種の担当部署か、県健康危機管理課(077・528・3632)へ。

有効性 理解して 喜多・滋賀医大教授に聞く

 産科医の喜多伸幸・滋賀医大教授(63)に、HPVワクチンの有効性や安全性などについて聞いた。

 ――HPVとは。

 100種類以上あると言われ、主に性交渉で感染します。感染しても9割は自身の免疫で排除されますが、1割は持続感染して、その中から子宮頸がんが発生するといわれています。男性もかかる肛門がんや頭頸部のがんの原因ともなり、性感染症の

尖圭

せんけい


コンジローマの原因にもなります。

 ――ワクチンはどのようなものか。

 2価、4価、9価の3種類あり、9価は子宮頸がんを引き起こしやすい7種類、尖圭コンジローマの原因となる2種類の計9種類のウイルスをカバーし、高い予防効果を発揮します。キャッチアップ接種では1回目の次は2か月後、半年後と計3回接種します。希望者は余裕をみて8月には始めた方がいいでしょう。自費の場合は10万円程度。男性も自費で接種できます。

 ――安全性、副反応のリスクは。

 100%安全ではありませんが、メリットがリスクを上回ると医学的に判断されています。副反応はHPVワクチンに特有のものでなく、ほかのワクチンでも一定の頻度で起こるものです。子宮頸がんは、進行度にもよりますが、子宮が温存できた場合でも妊娠しにくくなったり、早産につながったりします。キャッチアップ接種の対象で未接種の人は一度考えてみてください。

 未成年の接種には保護者の意見も重要です。産科医の立場から、ワクチンの有効性を理解してもらうよう、努力したいと思います。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE HPVワクチン 接種を

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