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権力者の証し 「衣笠」復元

権力者の証し 「衣笠」復元

守山で展示 「古代の王に思いはせて」

復元された衣笠(守山市で)
復元された衣笠(守山市で)
衣笠の使用想像図=守山市教委提供
衣笠の使用想像図=守山市教委提供

 古墳時代の王や高貴な人物が従者に持たせ、頭上に掲げさせた「
衣笠きぬがさ
」と呼ばれる道具が復元され、守山市の伊勢遺跡史跡公園で展示されている。市内の別の遺跡からは衣笠の飾りの一部が出土しており、専門家らが「守山に強大な権力者がいた証しをアピールしたい」と、昨秋の公園オープンに合わせ、1年かけてよみがえらせた。

 衣笠は、有力者が外出時、従者に持たせた柄の長い日傘の一種。装飾性に優れ、巨大古墳を築造できる
大王おおきみ
級豪族の権威を示す象徴的道具と考えられている。

 伊勢遺跡は弥生時代後期の集落遺跡で、その北約5キロにある「
八ノ坪はちのつぼ
遺跡」(古墳時代前期)では、衣笠上部に4枚ひと組で飾る「
たち
飾り」と呼ばれる木片の一部が1993~94年度の発掘調査で出土している。長さ約30センチ、幅約13センチ、厚さ4~8ミリの桂製で、独特の文様が施された上に黒い漆が塗られており、全国で唯一の出土例となっている。

 復元は、市立埋蔵文化財センターの職員らが手分けし、立飾りに似た装飾のある埴輪や、高松塚古墳にも描かれた衣笠の絵、研究者の構造図などを参考に実施。立飾りに石こうを用い、本来は絹と考えられる笠の部分は紫色の化繊で代用した。復元された衣笠は高さ約2・2メートル、笠の直径は約1メートル。

 監修した伊勢遺跡史跡公園の伴野幸一所長は「弥生時代の『ムラ』が徐々に統率され、伊勢遺跡は湖南地域で『クニ』の中心だった。その後も守山を治めた古代の王の姿に思いをはせてほしい」と話している。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 権力者の証し 「衣笠」復元

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