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「事故の記憶 風化心配」

「事故の記憶 風化心配」

地下道溺死2年 遺族 現場に献花

母親が亡くなった地下歩道で手を合わせる木下さん(近江八幡市で)
母親が亡くなった地下歩道で手を合わせる木下さん(近江八幡市で)

 大雨で冠水した近江八幡市の地下歩道(アンダーパス)で近くの岩田鈴美さん(当時72歳)が溺死した事故の発生から2年となる19日、岩田さんの長男木下
応祥まさよし
さん(50)が現場を訪れて花を手向け、手を合わせた。事故をきっかけに、降雨時のアンダーパスの危険性が注目されたが、木下さんは「時間の経過とともに事故の記憶が風化してしまわないかと心配だ」と心情を吐露した。

 地下歩道はJR東海道線の下を交差する県道に市管理のスロープが接続する構造で、岩田さんは冠水したスロープ部分で浮いているのが見つかった。

 木下さんは道路管理者である市と県の安全対策に不備があったとして2022年12月、両者を相手取り損害賠償請求訴訟を起こした。一方、市が設置した検証委員会は23年1月、「死者が発生しうるという認識が道路管理者(市、県)になかった」「事故を防ぐことはできなかった」とする中間報告書をまとめた。

 事故後、現場の地下歩道に冠水を知らせる電光掲示板が設置されるなどし、アンダーパスの危険性に注意が向けられた。木下さんは「母の死は無駄ではなかった」としながらも風化を心配し、「あんな事故がなければ、今も母は元気だったと思うといたたまれない」と悔やんだ。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 「事故の記憶 風化心配」

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