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「台風備え土砂流出対策を」

「台風備え土砂流出対策を」

米原・伊吹山 市長、3~5合目視察

裸地化が進み、土石流が発生した伊吹山の5合目付近を視察する平尾市長(米原市で)
裸地化が進み、土石流が発生した伊吹山の5合目付近を視察する平尾市長(米原市で)
土石流で浸食され、深さ4メートルほどの水の通り道ができた4合目付近(米原市で)
土石流で浸食され、深さ4メートルほどの水の通り道ができた4合目付近(米原市で)

 7月以降、米原市の伊吹山で相次いだ土砂災害を受け、平尾道雄市長は2日、

土石流の発生している3~5合目などを視察した。平尾市長は「台風などに備え、8月中には住民が安心できるような土砂流出対策をとらなければならない」と強調した。(藤岡一樹)

 平尾市長はこの日、山の中腹から山頂にかけてシカによる食害で裸地化が進む影響で、斜面がむき出しになり、土石流が発生している3~5合目付近を視察。3合目付近に
堆積たいせき
した土砂のほか、3~7合目にかけての土石流の流路を確認した。特に、4合目付近では土石流の勢いで、地面が幅4メートル、深さ4メートルほどえぐられ、大きな流路になっていた場所もあった。

 また、土砂は砂防ダムを乗り越え、麓に流れこんでいる。県が砂防ダムの土砂を撤去し、容量を増やす工事の現場も訪れた。

 平尾市長は報道陣の取材に対し「(集落に土砂が流れ込んでいる)勝山谷川での対策とともに、山の中腹以上への土砂流出対策も必要だと感じた。県にも対応を求めていきたい」と話した。

        ◇

 これまで、伊吹山では7月1~25日にかけ3度にわたり土砂災害が発生。砂防ダムを越えて麓の同市伊吹地区の集落や県道に土砂が流れ込んだ。

 米原市によると、伊吹山の南側斜面では近年、中腹から山頂にかけ、山肌がむき出しとなり、保水力が低下。大雨の際に土石流が発生していた。これまでに3~7合目にかけ、土砂や水の通り道ができ、3合目のくぼ地に土砂がたまっていた。7月以降の土石流は、この場所からあふれた大量の水が集落につながる勝山谷川に流れ込んだことが原因とみられるという。

 県は7月16日、3合目付近の監視カメラの設置、土砂の流出を防ぐための金属ネットの設置などの応急対策のほか、2028年度までに砂防ダム新設などの緊急対策プランを打ち出した。さらに7月25日の土石流発生を受け、3合目付近から勝山谷川に流れ込む土砂や水の勢いを緩やかにするため、8月中に石を詰めた網袋(幅約1・7メートル、高さ30~50センチ、重さ約1トン)を幅30メートルにわたり並べる応急措置をとる。

        ◇

 市は天候が安定し、砂防ダムの土砂の撤去が進み、危険性が低下したとして、2日に同市伊吹地区の26世帯66人を対象に発令していた「緊急安全確保」(警戒レベル5)を、「高齢者等避難」(警戒レベル3)に引き下げた。

 同日正午時点で、4人が2次避難所となる民宿に避難している。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 「台風備え土砂流出対策を」

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