カヤック水難 びわこ成蹊大学長ら謝罪
大津市の琵琶湖でカヤックを使った研修中だったびわこ成蹊スポーツ大(大津市北比良)の学生グループ約30人の行方が一時わからなくなった水難事故で、同大学は11日、間野義之学長らが記者会見を開いて事実関係などを説明し、「天候の変化などを考慮すれば研修を途中で中止すべきだったが、適切な状況判断ができなかった」と謝罪した。
同大学によると、研修にはサッカー部の選手33人や指導責任者、監督・コーチなど計50人が参加。チームの団結力向上などが目的で、9日午後2時半から大学近くの艇庫を出航して白鬚神社(高島市)で折り返し、日没前の午後5時に戻る予定だった。
しかし、実際に同神社に到着したのは午後4時~4時半で、当時、風が吹いて波が上がっていたのにもかかわらず、指導責任者や監督らが学生の体力などを加味して日没までに戻れると判断。午後5時に同神社を出航し、先頭集団の約20人が午後7時10分頃に艇庫に到着した一方で、残り約30人のカヤックがグループから遅れ、3艇が転覆するなどしたものの、午後8時頃までに全員の無事が確認できたという。
転覆した3艇について、県警は計5人が湖面に投げ出されたとしているが、同大学は乗っていたのは計4人で、いずれも泳いで岸にたどりついたと説明した。
部活動でカヤック研修をするのは初めてで、選手33人のうち、約20人が初心者だった。約3時間で往復する計画について、間野学長は「計画自体が楽観的だった」と陳謝。開始時刻についても「明らかに遅かった。短い研修を計画するなどすべきだった」と述べ、当面の間、研修は中止することを明らかにした。
また、けが人はいなかったが、学生4人が「夜一人になると不安を感じる」などと訴えているといい、精神的なケアに取り組んでいくという。