閉園危機 CFで乗り越え
日野町鎌掛の「日野ダリア園」で、今シーズンの営業が始まった。世話をする地元住民の高齢化や資金難で、一時は閉園の危機にあったが、今春に実施したクラウドファンディング(CF)で乗り越えた。花は今月末頃から見頃を迎えるといい、園を運営するNPO法人は「みなさんのご協力で、今年も開園にこぎつけることができた。これからも見守ってほしい」と来園を呼びかけている。(中村総一郎)
100種3000本 今月末から見頃
同園は、還暦を迎えた16人の地元住民らが「花の名所にして地域を活性化しよう」と、休耕田を転用して2002年頃に開園。その後、運営するNPO法人「日野ダリア園」を設立し、10年には約120種類、約1万2000本のダリアを育てていたという。
しかし、開園当初のスタッフの高齢化が進むなど退会者が相次ぎ、23年には1人に。同年6月、協力を求められた現理事長の田村優也さん(35)ら町内外の4人が加わったが、園の管理が行き届かず、昨秋は約100種類、約1000本にとどまった。
人手不足のため、園内に植える球根の数が減り、除草や水まきもままならず、花の状態も満足がいくものではなかった。廃園の話も持ち上がる一方で、「頑張ってきた先代のために、もう一度きれいな花を咲かせたい」と、今年1月からCFに挑戦した。
3月までの期間中に目標の50万円を上回る52万6000円が集まり、球根や肥料を購入。新しい品種を10種類以上植えたほか、園の手入れにあたる人たちの人件費も賄うことができ、9月8日、開園にこぎ着けた。猛暑の影響で開花はまだ4~5割だが、全部で約100種類、約3000本の開花が見込まれるという。
「これから次々と開花を迎えるので、復活した園を見に来てほしい」と田村さん。「開花期間が長くなる育て方を試すなど、来園者が増えるように工夫して、園を守っていきたい」と話している。
開園時間は午前9時~午後4時。中学生以上500円、小学生200円。10月末頃まで開園しており、期間中は無休。開花状況など問い合わせは同園(0748・52・5651)。