延暦寺・登天天満宮 改修落慶法要
比叡山延暦寺(大津市)で9日、死後に怨霊となった菅原道真(845~903年)が改心して天に昇った伝説にちなんだ「登天天満宮」の改修落慶法要と、道真をまつる北野天満宮(京都市上京区)による
祭が営まれた。
道真は右大臣となったが、藤原氏に謀反の疑いをかけられ、九州の大宰府に左遷。2年後に死去し、怨霊となって都に災厄をもたらしたと伝わる。北野天満宮は道真を鎮めるために947年に創建され、その由来が「北野天神縁起絵巻」(国宝)に記されている。
道真は青年期に比叡山に通い、尊意第13世天台座主を師と仰いでいた。怨霊となって荒れ狂う道真は、尊意座主の説法で悔い改めて十一面観世音
になったという故事があり、延暦寺に登天天満宮が建てられた。
登天天満宮の改修は、道真の没後1125年の神事「
」(2027年)の記念事業で、北野天満宮がヒノキ造りの社殿を建て替えた。この日は、延暦寺の僧侶による落慶法要に続いて、北野天満宮の神職が竣工祭で祝詞を奏上した。
北野天満宮の橘
宮司は「神様と仏様は世の中の両輪。皆様の心の安寧の一助になれば」と語り、延暦寺の獅子王
執行は「社殿を守るために覆屋もかけられた。天気にも恵まれ、道真公に感謝するばかり」とあいさつした。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 「心の安寧一助に」