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桜の苗木植樹 未来へつなぐ

桜の苗木植樹 未来へつなぐ

高島の市民グループ 琵琶湖岸の広場に

桜の苗木を植樹する参加者たち(高島市で)
桜の苗木を植樹する参加者たち(高島市で)

 高島市で高齢者同士の仲間づくりやまちづくり活動をしている市民グループが、同市新旭町の琵琶湖岸にある広場で桜の苗木の植樹を行った。同市では高齢化が進み、地域住民の交流も希薄になってきているといい、メンバーは「地域ににぎわいを取り戻すきっかけとなるよう、一生懸命育てていきたい」と話している。(角川哲朗)

「にぎわい取り戻す きっかけに」

 植樹は「トンボとその仲間たち」(大石幸夫代表)が主催。旧新旭町では1990年に「ふるさと創生事業」で琵琶湖岸約6キロに桜約650本が植栽され、名所として親しまれていた。しかし、2006年頃から枯れ枝が多くなり、春に花が咲かないなど木の衰弱が目立つように。それを危惧した住民ら5人が08年、並木を守り中高年の生きがいや仲間づくりを通して地域の絆をさらに深めようと、「さくら守隊」を結成。現在では地域住民を中心にメンバーは約100人となり、琵琶湖の清掃なども行う「トンボとその仲間たち」として活動している。

 メンバーらは、花が咲かない原因を探ろうと樹木医に相談したり、桜1本ずつのカルテを作成したりするなど年間を通して木の生育の見守りを実施。清掃や土壌改良、害虫駆除なども行って樹勢を回復させ、21年に公益財団法人日本さくらの会から「さくら功労者」を受賞した。

 活動する中で、桜並木から見える道の駅しんあさひ風車村近くの広場が殺風景で利用者がほとんどいないことに気づき、湖岸のロケーションを生かして広場に桜を植えようと、今春に植樹を思いついた。当初は湖岸沿いに桜を植える許可が下りず、市を通して県と半年間にわたって協議を重ね、11月に入って許可が出たという。

 植樹は16日にあり、メンバーや市民約50人が参加。ソメイヨシノより感染症に強く、手入れもしやすいとされる「ジンダイアケボノ」など19本の苗木をスコップやくわを使って丁寧に植え、添え木に縄で固定した。

 苗木には参加者の名前が書かれた木製のプレートも添えており、同市今津町の福井富久子さん(76)は「自分の名前が掛けられた桜がどんなふうに咲いてくれるか楽しみ。並木と合わせ、きれいな湖岸になってくれればうれしい」と話していた。

 「ビワイチをするサイクリストが広場の前をよく通っているが、素通りされていてもったいないと思っていた」と大石代表。「桜が地域や観光客をつなぎ、にぎわいのある広場になるよう積極的に活動していきたい」と意気込みを新たにしていた。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 桜の苗木植樹 未来へつなぐ

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