中2男子のみ全国上回る
スポーツ庁が小学5年、中学2年の男女を対象に行った2024年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)」の結果が20日公表され、県内では小5女子の体力合計点が全国最下位で、小5の男子と中2の女子も全国平均を下回るなど低迷した。スマートフォンなどを見る時間が増え、運動時間が減っていることが背景にあるとみられ、県教育委員会は「学校生活で自発的な運動習慣を根付かせたい」としている。(西村歩)
公立小226校の1万2798人、公立中101校の1万1128人が、7月までに50メートル走や握力など8種目を行い、体力合計点(1種目10点満点)を算出。運動に関する意識調査も行った。
小5は男子の合計点が51・86点で全国41位、女子は52・23点で同47位でいずれも全国平均に届かなかった。種目別で全国平均を上回ったのは男子の立ち幅跳びだけだった。
中2男子は合計点が唯一全国平均を上回り、42・15点で28位だった。種目別では、反復横跳びなど3種目で平均を上回った。女子は46・93点で38位となり、反復横跳びと立ち幅跳び以外の6種目は平均を下回った。
意識調査では、1週間の総運動時間が男子は小5が532分、中2が745分で、いずれも前年度より増えたが、女子は小5が289分、中2が502分でいずれも減っていた。
「体育の授業は楽しい」と答えた割合は小5、中2ともに前年度より多かったが、「スポーツや運動をすることは好き」か「やや好き」と答えた割合は全国平均を下回っていた。
一方、1日にテレビやスマホなどを視聴する「スクリーンタイム」は、「4時間以上」が小5で男子31%、女子25・9%、中2男子は33・8%、女子は33・3%と、いずれも全国平均を上回った。
県教委は低迷の要因について「運動時間の減少が大きく影響し、運動の愛好度も低い」と分析。家庭で手軽に取り組める運動を保護者向けの情報誌やホームページで紹介するなどし、運動の習慣付けを図る考えだ。