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醒井公会堂 復活へCF 

醒井公会堂 復活へCF 

米原の自治会 200万円目指す

建築家主導 住民らも修復活動

修復費用をクラウドファンディングで募っている醒井公会堂(米原市提供)
修復費用をクラウドファンディングで募っている醒井公会堂(米原市提供)
醒井公会堂で修復作業をする小林さん(米原市提供)
醒井公会堂で修復作業をする小林さん(米原市提供)

 老朽化した米原市
醒井さめがい
の国の登録有形文化財「醒井公会堂」を修復しようと、地元自治会が費用200万円を募るクラウドファンディング(CF)を今月から始めた。約2年前から兵庫県宝塚市の建築家が無償で地元企業から使わない部材を調達し修復を進め、住民も協力するなど機運が高まっている。住民や観光客のサロンになる計画で2025年春に一部で利用を始める。(清家俊生)

 醒井地区は夏になると、清流の地蔵川周辺にバイカモが咲き誇り、県内外からの観光客の目を楽しませている。旧中山道の宿場町として栄えた当時の面影を残す。

 その地蔵川沿いにある醒井公会堂(123平方メートル)は、公民館として1936年建設された。木造平屋の寄せ棟造りの瓦ぶき、両脇に左右対称のアーチの窓、建物正面角に石を積み上げる「コーナーストーン」風の仕上げとなっている。和洋のデザイン・構法が混在する昭和初期の公民館建築の好例として、2003年に登録有形文化財になった。

 約40年前に新しい公民館が近くにできたことなどから、徐々に利用される機会が減り、近年は倉庫となり、開放されていなかった。耐震性が不足し、床や壁の板などが腐食し、老朽化が進んでいた。

 22年夏、奈良芸術短期大名誉教授で建築家の小林敬一郎さん(82)が醒井を訪問。その際、老朽化が激しい同公会堂を見て、所有する地元の醒井自治会に修復を申し出た。現在は鉄骨だけが残る火の見やぐらを象徴的な建物として、復活させる計画もある。

 小林さんは「醒井は過去、現在、未来が共存する場所。象徴の一つである公会堂をこのまま放置するのはよくないと感じた」と振り返る。

 小林さんは地元の了承を得て、23年から週末を中心に、教員時代の教え子や知人らとタイルや塗料を持ち込んで作業に取りかかった。途中で床下などに使用する木材が足りなくなると、醒井自治会の古野義昭区長(67)が地元の木材会社に依頼し、資材の提供を受けた。

 こうした動きに住民も呼応し、建物周辺の雑草や枯れ葉の掃除をしたり、木材の運搬を手伝ったりするなど、地域を挙げて修復の機運が高まった。

 だが、修復には最低でも約650万円は必要で地域の資金だけでは限界があり、古野さんはCFを企画した。目標金額は200万円で工事費用の一部にする。古野さんは「歴史的にも希少な建物を後世に残すため、ぜひ協力してほしい」と呼びかけている。

 CFは1月30日まで。返礼品には、ゲストハウスの宿泊券やポストカードなどを用意する。詳細はホームページ(https://readyfor.jp/projects/151366)で。

 問い合わせは古野さん(090・8486・1619)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 醒井公会堂 復活へCF 

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