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「桜田門外の変」超え交流

「桜田門外の変」超え交流

彦根市と鹿児島市 連携協定

 彦根市と鹿児島市は16日、観光や文化事業に関する連携協定を結んだ。両市は江戸時代に大老の井伊
直弼なおすけ
が暗殺された「桜田門外の変」(1860年)などで因縁のある彦根藩と薩摩藩の流れをくんでおり、事件に関わった人物の子孫が協定締結を呼びかけた。(清家俊生)

観光や文化事業 発展つなぐ

島津さん(右)らの立ち会いの下、協定書を交わした彦根市の和田市長(中央)と鹿児島市の下鶴市長(右から2人目)(彦根市で)
島津さん(右)らの立ち会いの下、協定書を交わした彦根市の和田市長(中央)と鹿児島市の下鶴市長(右から2人目)(彦根市で)

 桜田門外の変は、尊王
攘夷じょうい
派の水戸、薩摩の浪士らが彦根藩主でもある井伊直弼を江戸城桜田門外で襲撃して殺害した事件。薩摩藩出身の有村次左衛門が直弼の首を討ち取ったとされる。

 また、井伊家と薩摩藩主の島津家との間には、関ヶ原の戦い(1600年)で対立したが、合戦後に初代彦根藩主の井伊直政が徳川家と島津家の仲立ちをしたという歴史的なつながりもある。協定は、次左衛門の弟の子孫である有村国俊・県議会議長(60)が昨夏、桜田門外の変から165年の節目に「歴史的背景を超えて交流していこう」と彦根、鹿児島両市長に提案し、実現した。

 この日は、締結式に先立ち、井伊家18代当主の直岳さん(55)(彦根市観光文化戦略部副参事)と島津家33代当主の忠裕さん(52)(島津興業社長)、有村議長らが井伊家の
菩提寺ぼたいじ
である清凉寺(彦根市)を訪問。墓の前で手を合わせた。

 島津さんは「両家のつながりは400年以上にさかのぼる。ともに国を豊かにしようと強い信念を持っていた。このような機会をいただき感謝したい」と述べ、井伊さんは「この機会が鹿児島と彦根の発展につながってくれれば」と期待を寄せた。

 その後、彦根城の楽々園で井伊さんら3人の立ち会いの下、和田裕行・彦根市長と下鶴隆央・鹿児島市長が協定書に署名した。連携する事業は今後具体化していくといい、和田市長は「未来につながる交流を鹿児島市長と一緒に考えていきたい」と意気込んだ。

 彦根市は、1968年に当時の井伊
直愛なおよし
市長(井伊家16代当主)が、水戸藩をルーツとする水戸市と親善都市提携を結んでいる。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 「桜田門外の変」超え交流

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