びわ湖ホールコンクール
全国の優れた才能を持つ演奏家を発掘して発信しようと、大津市のびわ湖ホールは19日、「第1回びわ湖ホールピアノコンクール」を大ホールで開催した。年齢を問わず、全国から参加があり、審査した阪哲朗・同ホール芸術監督は「ピアノの可能性は無限大だと感じた。コンクールをさらに発展していけたら」と話している。(林華代)
阪芸術監督 「初回からハイレベル」
映像審査には20都府県から6~60歳の222人の応募があった。この日は、予選を通過した19人が大ホールで審査に臨んだ。曲目は自由で、A部門(10分程度、小学生以下)、B部門(15分程度、高校生以下)、C部門(20分程度、年齢不問)の3部門で技術と音楽性を競った。
審査員は阪芸術監督をはじめ、ともにピアニストの上野真・京都市立芸術大教授、土居知子京都女子大教授の3人が務めた。
1位に輝いたのは、A部門は静岡県御殿場市の小学4年牧嶋慧大君(10)で、C部門は大阪府豊中市の小塩真愛さん(34)、神戸市の辰野翼さん(34)、東京都練馬区の三原有紀さん(34)の3人。B部門は該当者がいなかった。
阪芸術監督は「初回からレベルが高かった。音楽家としてのメッセージを評価した。びわ湖ホールと末永くお付き合いしていただけたら」と講評。上野教授は「皆様のキャリアを作るお手伝いができたら」と話し、土居教授は「聞く耳を磨き、解釈を研ぎ澄ませ、音楽に還元してほしい」とエールを送った。審査後には、参加者と審査員がゆっくりと対話して、評価やアドバイスを聞く機会も設けられた。
三原さんは「年齢制限のないコンクールは日本であまりなく、自身の成長が確認できるいい機会だった。難しい曲にチャレンジできて、手応えを感じた」と喜びを語った。
優秀な入賞者には、「びわ湖の春 音楽祭」といったびわ湖ホールの主催公演で、オーケストラとの共演やソロリサイタルの機会が与えられる。