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多様な生物 学び深める

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ヤマトサンショウウオの新たな保護池を造る学生ら(長浜市で)=湖北動物プロジェクト提供
ヤマトサンショウウオの新たな保護池を造る学生ら(長浜市で)=湖北動物プロジェクト提供

長浜バイオ大がプロジェクト

 長浜市の琵琶湖沿いにある長浜バイオ大は、自然豊かな湖北地域という立地を生かしたユニークな授業「湖北動物プロジェクト」を実施している。特別天然記念物「オオサンショウウオ」や、開発ですみかを追われた生き物のためのビオトープの調査といった実習が中心。保全に取り組む団体や自治体と協力し、生物の保護にも一役買っている。(林華代)

オオサンショウウオ調査など

 同プロジェクトは2014年度から始まった通年の講義で、今年度は1、2年生27人が履修。土日などを利用し、希少生物を観察して種を見分ける技術などを養う。保護活動を行う住民との共同作業もあり、やりとりを通じてコミュニケーション能力の向上を図る狙いもある。

 今年度は主に六つのプロジェクトに取り組んでいる。日本固有の希少種「ヤマトサンショウウオ」の産卵と幼生の調査・観察、市内の田村山麓にある繁殖地保全では、市民団体とともに保護池を造り、外来生物の除去などを行った。

 米原、長浜両市でつくる「湖北広域行政事務センター」による一般廃棄物最終処分場開発に伴い、生き物を避難させるために造られた米原市番場のビオトープでは、生息調査を継続的に実施。県のレッドデータブックに記載されているミナミメダカやホトケドジョウの生息も確認した。また、湖魚が産卵のために
遡上そじょう
できる魚道を田んぼ沿いに造る「魚のゆりかご水田プロジェクト」にも参加し、環境に優しい米作りも学んでいる。

 ヤマトサンショウウオのプロジェクトと、オオサンショウウオの生態調査には、在学時代に履修していたOB・OGも参加。京都水族館(京都市)や環境調査会社に就職しており、種の同定などに協力している。

 責任教員の斉藤修教授は「生き物が好きな学生が、フィールドで生き物を観察できる機会となり、観察技術を学び、学びを深める動機づけにつながっている。いろいろな湖北の貴重な動物に触れられる珍しい授業です」と話す。

 今後は、学生たちにミニ水族館を街中で開催してもらい、生物の飼育や説明までできるよう、内容を充実させる方向で検討しているという。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 多様な生物 学び深める

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