米原 28日納品分で事業撤退
米原市の老舗駅弁販売「井筒屋」が28日納品分を最後に駅弁事業から撤退する。湖北の郷土料理にこだわり、明治時代から販売を続けてきたJR米原駅の名物駅弁が姿を消す。
同社は1854年(安政元年)に長浜で創業した
が前身で、89年(明治22年)に東海道線の全線開通を見越して、拠点を米原に移して駅弁の販売を始めた。
JR東海の「新幹線グルメ」キャンペーンに合わせ、1987年に販売を始めた駅弁「湖北のおはなし」は近江米やカモ肉のロースト、赤カブなど湖北地域の名産品が詰まった弁当で、全国的に人気となり、同社の看板商品に。東京や名古屋、新大阪などの新幹線主要駅のほか、東京の百貨店でも販売するようになったが、コロナ禍などで縮小。現在は米原駅構内と本社のみになっている。
同社は今年1月1日、ホームページ上で駅弁事業からの撤退を発表。宮川亜古社長の名前で「食の工業製品化が一層加速し、手
えの文化も影を潜めつつあります。そのような環境に井筒屋のDNAを受け継いだ駅弁を残すべきではないと判断致しました」とつづっている。
林秀行取締役は「メールや電話での問い合わせが相次いでいる。最後の日まで安心安全な駅弁を提供していきたい」と話している。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 「井筒屋」駅弁にさよならを