交流10年 福島・伊達市から一部
草津市が2014年に東日本大震災の被災地である福島県伊達市に贈ったハスの地下茎が現地で育てられ、両市の交流10年を記念して伊達市から一部が帰郷した。1日には、草津市立水生植物公園みずの森で小学生らによる植え込みが行われる。伊達市では5年前から毎夏、大輪の花を咲かせており、両市の担当者は「友好の証しとして、大切に育て続けたい」と話している。(名和川徹)
温かい思い育んで 1日 地下茎植え込み
11年に起きた東京電力福島第一原発事故の風評被害に苦しんでいた伊達市を支援するため、草津の民間団体が始めた物産展がきっかけで両市の交流が始まった。伊達市は草津市制施行60年の14年3月にハナモモの木を贈り、草津市は同月に「草津観光のシンボル」だったハス5品種の地下茎を伊達市に寄贈し、互いに栽培を続けている。
両市の間には、草津市発祥ともいわれるクリスマスブーツを通じた交流もある。また、隔年で相互に子どもたちが両市を行き来する交流事業は、コロナ禍で20~22年度はオンラインになったものの、対面交流が復活。昨年8月には伊達市でハスの花の見学会に草津側から小学生10人が参加し、須田博行・伊達市長の案内で、約1000平方メートルの休耕田に咲き誇る花々を地元の児童と一緒に見渡した。
伊達市からは今年2月下旬、ハスの地下茎約30本が届けられた。草津市では帰郷を祝い、1日に市内の小学生や橋川渉市長らがみずの森に植えることにした。
伊達市ではハス田のそばに両市の交流を伝える看板、草津市でも草津川跡地公園「de愛ひろば」にハナモモを植え、市民に知らせる石板を立てている。伊達市の担当者は「草津市との官と民、子どもたちとの交流を今後も長く続けたい。ハスとハナモモをシンボルに温かい思いを長く育んでいきたい」と話している。