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困難越え 地ビール醸造 

困難越え 地ビール醸造 

地域に根ざした 商品作り

滋賀で出会った若手3人

ブルワリーを設立した(左から)田中さん、大西さん、清水さん(東近江市で)
ブルワリーを設立した(左から)田中さん、大西さん、清水さん(東近江市で)
県産米と自社栽培のホップを使用した「フローラ・エール」(東近江市で)
県産米と自社栽培のホップを使用した「フローラ・エール」(東近江市で)
自社で栽培したホップ(2024年8月撮影、東近江市で)
自社で栽培したホップ(2024年8月撮影、東近江市で)

 滋賀で出会った若手醸造家3人によるクラフトビール製造販売会社「FLORA FERMENTATION(フローラ・ファーメンテーション)」(東近江市)がいくつもの困難を乗り越え、昨秋から本格的に醸造を始めた。構想約10年。自社栽培したホップや県産の農作物を原材料にしたビール造りにこだわり、3人は「地域に根ざし、味わいのある商品を作っていきたい」と意気込んでいる。(西村歩)

 3人は大西康平さん(30)、田中翔太さん(31)、清水ノイバウアーカイさん(30)。20代前半の頃、地ビールの醸造やレストラン経営を手がける「長濱浪漫ビール」(長浜市)で知り合った。アルバイトとして醸造の知識を学び、意気投合して将来的に起業することを約束。その後、大西さんは国内を代表するブルワリー「箕面ビール」(大阪府)をはじめ、ニュージーランドや北海道で、田中さんは岩手県や奈良県、清水さんも出身地のカナダでそれぞれビール醸造やホップ栽培の技術を学び、修業を積んだ。

 創業の地には、3人が出会った滋賀県を選んだ。その中から、鈴鹿山脈の麓で自然豊かな東近江市に決め、2022年1月、大西さんが2人に先立って移住。同年10月にはホップを栽培するための農場(約3000平方メートル)を借りて法人登記を行い、醸造所となる物件を見て回った。

 ところが、資金調達がうまくいかず、見つけた市内の物件は他の事業者に契約され、計画は足踏み状態に。その間、清水さんと田中さんもそれぞれ東近江と彦根に移り住み、3人は「京都醸造」(京都市)など県内外のブルワリーで働きながら、自前の醸造所を持たない「ファントムブルワリー」として自社ブランドの製品を企画。それぞれ勤務先で醸造してもらっていた。

 23年12月、地元住民に橋渡し役になってもらい、ようやく物件が決まった。東近江市山上町にある工務店だった倉庫(約400平方メートル)で、買い取って自分たちで塗装をするなど改修を進めた。

 スタートラインに立てると思ったのもつかの間、急激な円安と物価高の影響で醸造機械の購入費などがかさみ、資金が底をつきかけた。そこで、24年8月から約1か月間、クラウドファンディング(CF)を実施。全国各地のビールファンや地元住民らの間で支援の輪が広まり、約590万円が集まった。缶ビールの
充填じゅうてん
機につぎ込み、同年9月にようやく本格稼働にこぎ着けた。3人は「CFを通じて『陰で応援してもらっている人のためにも頑張らないと』という気持ちになった」と振り返る。

 今では、東京や大阪などを中心にクラフトビールを扱う飲食店と取引があるという。今月12日からは、県産米と自社栽培のホップを使った「FLORA・ALE(フローラ エール)」を地元の酒販店で販売を始めた。すっきりとした味わいだといい、自社の電子商取引(EC)サイトも開設して販路を拡大していく計画だ。3人は「『農業と醸造の両立』をコンセプトに地域の農作物を使うことで農家を盛り上げつつ、飲んで笑顔になるようなビールを消費者に届けたい」と話している。

 購入に関する問い合わせは、同社にメール(info@florafermentation.com)で。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 困難越え 地ビール醸造 

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