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<点検商法>「屋根に欠陥」気をつけて 

<点検商法>「屋根に欠陥」気をつけて 

不安あおり高額請求 偽装も

すぐ契約せず 周囲に相談を

 点検と称して自宅などに訪問し、家の欠陥を指摘することで不安をあおって工事を契約させる「点検商法」のトラブルが相次いでいる。2024年度に県消費生活センターに寄せられた相談件数は、23年度の約1・6倍となる150件(速報値)に上っている。同センターは「その場で契約せず、一度周囲の人に相談して」と注意を呼びかけている。(東川直央、小手川湖子)

 「近所で工事をしている」「お宅の瓦が割れているのが見えた」

 悪質業者による点検商法の決まり文句だ。同センターによると、相談の大半は日中に自宅で1人で過ごす時間が長い65歳以上の高齢者からで、「工事の施工法が事前の内容と異なっている」「『近所で工事をしていてお宅の屋根が気になった』と言われて契約したけど、実際には近所で工事がなかったことがわかった」といった声が寄せられている。

 最近では「自宅の屋根をスマートフォンで撮影した」「ドローンを使った」などと言って瓦のずれた偽の画像を見せるケースも。屋根だけでなく、壁の高い部分や配管など自分で確認できない箇所は画像を信じやすく、注意が必要だ。

 相場よりも高額な料金を請求されることも多く、被害額の平均も23年度の約87万円から24年度は約98万円と増えている。他にも契約をするまで家から帰らなかったり、クーリングオフ(無条件解約)を拒否したりする場合もある。

 先月16日には、クーリングオフに関する記載がない書類を渡して、代金を受け取っていたとして、米原署が自称住宅リフォーム業の男(66)を特定商取引法違反(不備書面交付)の疑いで逮捕した。同署によると、男は24年9月~今年4月、米原市内の高齢男性宅を3軒訪問し、屋根瓦の防水工事の契約を締結。男性らが「工事の時間が短かった。詐欺ではないか」と疑い、同署に相談したのがきっかけで書類の不備が発覚した。

 県警のまとめでは、今年度の悪質な訪問販売による検挙は、米原署の事案を含めて2件。昨年度は0件だった。県警生活環境課は、証拠になる書類が残っていないことや、業者とのやり取りが明確でないことが事件化へのハードルになっているとみている。

 同センターと連携して悪質業者の情報や相談内容を共有して取り締まりを強化しており、同課の磧勇人次席は「契約を未然に防ぐことが一番。その場できっぱりと断り、業者が家から帰らなければ警察に連絡をしてほしい」と話す。

 点検商法への対処法として、同センターは▽突然訪問する業者には安易に点検させない▽状況を伝えられてもうのみにしない――の2点を挙げ、「高額な契約の場合は複数の業者で相見積もりしてほしい」としている。

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