J2・J3百年構想リーグ
今季、初めてJリーグの舞台に立ったサッカーJ3・レイラック滋賀FCが、リーグ戦秋春制移行前の特別大会「J2・J3百年構想リーグ」を全40チーム中30位で終えた。開幕前に掲げた「30位以上」という目標を達成し、新規参入クラブとして確かな足跡を残した一方、Jリーグで戦うための課題も見えてきた。(香山優真)

百年構想リーグはJ2・J3の40クラブを東西を基準に4グループに分け、10クラブで地域リーグラウンドを戦った後、同順位同士のプレーオフ(PO)ラウンドで最終順位を決める。西地区Bのレイラックは、7勝11敗(PK戦の勝敗含む)で8位。POラウンドではFC大阪に勝って29位決定戦に進んだが、栃木シティに敗れて30位となった。

Jで戦ううえで最大のテーマは、「Jリーグ基準への適応」だった。昨年まではJ1から数えて4部にあたるアマチュア最高峰の「日本フットボールリーグ(JFL)」に所属。対戦相手のプレースピードや技術だけでなく、中2~3日での連戦など、ピッチ内外で環境が大きく変化した。
2月15日のレノファ山口FCとの西地区B初戦では、シュート数4本に終わり1―2で敗戦。攻撃力不足の課題が浮き彫りになった。J初挑戦となったMF海口
主将(29)が「初めて経験するプレースピードに驚き、危機感を感じた」と思うように展開できないジレンマに陥った。
しかし、試合を重ねるにつれて選手たちは徐々に順応。強みのセットプレーを生かし、4戦目のギラヴァンツ北九州戦でJ初勝利をつかむと、続くロアッソ熊本には1―0と無失点勝利を挙げ、この時点で6位にまで順位を上げた。

清水エスパルスや鹿島アントラーズといったJ1クラブでの出場経験があるGK櫛引政敏選手(33)は「粘り強く守り切るパターンはJでも形になっていた。昨年とほぼ同じメンバーで戦い、積み上げてきたものが生きた」と手応えを語った。

一方で「最初は『格下』となめられていたからこそ通用していた部分もある」とも分析。危惧した通り、2巡目に入ると4月19日の大分トリニータ戦から5連敗を喫した。守備の緩みからの失点に、百年構想リーグを指揮した和田治雄監督(56)は「対策されたというよりも、疲労が見えてきた中盤で『慣れ』が悪い意味で作用した」と振り返る。
プレー以外の課題も明確になった。Jリーグでは中2~3日の連戦もある。サッカー以外の仕事に就いている選手もおり、主力選手への負担が集中した影響で、リーグ戦終盤には疲労が見える試合もあったという。
「5連敗の中でも雰囲気は全く悪くなかった」と和田監督。戦術の多彩さを求めて攻撃的な布陣も試したが、原点に立ち返って守備のメリハリを追求。最後まで集中を切らさず、体を張って守り、西地区B1位となったテゲバジャーロ宮崎に二つの黒星をつけた唯一のチームとなった。ただ、POラウンドも含めた20戦の得失点差はマイナス14と、得点力は明確な課題となった。
目標通りの30位達成に、和田監督は「当初の想定より戦えたが、今は『もう少し勝てたのかも』とも思うようになった」と、物足りなさをのぞかせる。Jクラブとの戦いで「現在地」を知ったクラブは、8月のシーズン開幕に向け、次なる一歩を歩み始めている。

