
繊細な墨線で裸婦像などを描き、フランスの画壇で高く評価された藤田嗣治(1886~1968年)の、生誕140年を記念した展覧会「藤田嗣治 7つの情熱」が、守山市の佐川美術館で開催されている。自己表現や、女性など、藤田の情熱に焦点をあてた約140点を展示している。23日まで。(池部稜人)
藤田は少年期から画家を志し、東京美術学校(現・東京芸術大)で西洋画を学んだ。1913年にパリへ渡り、「乳白色の肌」と呼ばれる裸婦像を描き、一躍人気を集めた。太平洋戦争期に日本で戦争画を制作したことで戦争責任を問われ、戦後はパリに戻りフランスに帰化した。
展覧会は、フランスの藤田研究の第一人者、シルビー・ビュイッソン氏が監修。藤田の創作源を「自己表現」「女性」「子ども」など、7つの章に分けて紹介している。
「自己表現」では、丸い眼鏡におかっぱ頭の特徴的な外見を描いた自画像を中心に紹介。
「女性」で展示されている、「眠れる女」(1931年)は、藤田がフランスで出会ったパートナー「マドレーヌ・ルクー」を描いたといい、裸婦像の傑作のひとつとされる。
「子ども」では、版画集「取るに足らぬ職業は稼ぎが少ない」(1960年)から12点を展示。「石炭運び」や「ガラス売り」などのフランスの伝統的な職業を子どもたちの姿で表現した。
他にも、藤田が自ら彫った版画「パリ 要塞 とモンルージュ門」(1922年)や、59年にカトリックの洗礼を受けた藤田が、礼拝堂に描くフレスコ画の下絵で描いた「祈りの天使」(1965年)なども展示されている。
大阪府松原市のパート従業員大田吉子さん(63)は「独特な世界観に感動した。西洋的な作品だが、描き方に日本の心を感じた」と話した。
同館の深井千尋学芸員は展覧会をフランス人が監修したことに触れ、「今まで藤田の作品に触れてきた人も、新しい視点で楽しめる。フランス人から見て、藤田の作品がどんなものなのかを考えながら楽しんでほしい」と呼びかけている。
開館時間は午前9時30分~午後5時。月曜休館(23日は開館)。一般1600円、高校・大学生800円、中学生以下無料。問い合わせは同館(077・585・7800)。
出典:読売新聞オンライン
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