
地元在住作家の作品を各都道府県の代表作とし、図書館員らが1冊に絞り込む「第1回本の甲子園」の決勝イベントが5日、大津市の石山寺であり、初代王者に栃木県代表の村崎なぎこさん(55)の「オリオンは静かに 詠 う」(小学館)が輝いた。
書店と図書館、作家と地域の結びつきを強めようと、大津市在住の直木賞作家・今村翔吾さんが発起人となり、今村さんが代表理事を務める一般社団法人「ホンミライ」が主催した。
作家91人が自作計119作品を応募。全国の図書館員約250人が選考で都道府県代表作を決め、6月からトーナメント形式で作品選びが進められた。
くじで勝ち抜き作品を決める「運」の要素を取り入れているのが特徴で、この日の決勝では、今村さんや図書館員ら11人が青と赤のボールを入れた箱を使って抽選。村崎さんの作品が6対5で神奈川県代表の岩井圭也さんの「サバイブ!」(祥伝社)を退けた。
「オリオンは静かに詠う」は、競技かるたに取り組むろう学校の生徒らの姿を描いた作品。村崎さんは「地方でもがいている作家にとってはクモの糸をつかむようなチャンスと思い応募した」と言い、「これを機に、図書館でも作品を手にとってもらえたら」と笑顔を見せた。
今村さんはイベント後の取材で「今はどこにいてもメール1本で原稿が送れる。都市部より集中できる環境があり、コストも安い地方が有利。地元に応援してもらえることも大きい。街との結びつきは今後の作家にとって重要なポイントだと感じる」と話した。
本の甲子園は来年も開催する予定という。
出典:読売新聞オンライン
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