
県立琵琶湖博物館(草津市)が韓国の国立洛東江生物資源館と相互協力協定を締結して今年で10年目となる。淡水生物を専門に研究する両館の館長は先月、琵琶博で協定を更新した。これまでの交流で信頼関係を醸成できたといい、今後、淡水魚の進化などについて共同で研究や企画を行う方針だ。(梨木美花)
琵琶博は研究や展示の国際化を推進するため、ロシアのバイカル博物館や北マケドニアの国立オフリド水生生物研究所、京都大学野生動物研究センターといった国内外の研究機関と協定を締結してきた。
同資源館は韓国で最長の川・洛東江(約520キロ)の流域にあり、洛東江を中心に淡水生態系全般の研究や展示を行う。地理的に近い両国の生物を比較するなどの目的で、2017年に協定を締結した。
以来、共同研究を行い学会で成果を発表したり、資源館が韓国の国際シンポジウムに琵琶博の研究者を講演者として招いたりするなど毎年のように研究員が行き来してきた。
19年に琵琶博が開いたビワマスに関する企画展では、資源館の提供を受け、日本とは異なる遺伝的特徴を持つ韓国のサクラマスの 剥製 を展示。コロナ禍で20年から対面交流が途絶えたものの23年から再開し、今年は「標本の重要性と可能性」と題してデジタル画像の活用などに関する合同セミナーを開いた。
協定期間は5年。2回目の期限を控え、9月16日に琵琶博で更新文書の署名式が行われ、両館長は企画展示や研究活動の協力を深めることを確認した。3Dモデルなどの生物標本の交換といった合意書も取り交わした。今後、ナマズ類やスゴモロコ属、ヒガイ属の共同研究を進めるという。
資源館の 龍錫元 館長は「琵琶湖と洛東江は淡水生態系の持続可能な管理という共通の課題を抱えている。協定を延長することで、健全な生物多様性を次世代に引き継ぐ基盤となれば」と強調。
琵琶博の亀田佳代子館長は「海外機関との交流は、大都市に近く人の利用の多い古代湖にもかかわらず、固有種が生き残っている琵琶湖の世界的な貴重さを見直す機会にもなっている。今後、資源館と一緒に東アジア地域の研究を推進したい」と話した。
出典:読売新聞オンライン
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